昨日の続きです。

 

ところで、セックス依存症は昔から色情症との名前で知られていました。

色情症はなぜか男性と女性に分かれています。

男子色情症はサチリアジス(satyriasis。語源はギリシア神話の精霊サテュロス)、女子色情症はニンフォマニア(nymphomania。語源はギリシア神話の水の精ニンフ)ですね。

具体的な症状としては相手がいる、いないに関わらず、性的な興奮や刺激におぼれ、それが慣習化するわけです。

強迫観念にかられた自慰行為や露出症、窃視症、乱交、ペドフィリア(小児性愛)、サディスム、マゾヒズムなども性依存症の一種だとされています。

そして、最終的には自己で性衝動を抑えることができなくなり、ときには強制わいせつや迷惑防止条例違反などの犯罪にまで発展することがあるということです。

そう云えば、何人かの有名人が痴漢や覗きで逮捕されていますが、彼らもこうした衝動にかられていたのでしょう。

強い強迫観念にかられ、なにかに依存せざるを得ないとしたら、何らかの原因があるはずです。

ただ、セックス依存症と診断される人でも、本人は自覚しておらず、問題意識がないケースが多いようです。

また、すでに書いたように日本ではまだこの病気の認知度が低く、正常と依存症の境界線も非常にあいまいです。

上に書いた有名人に限らず、逮捕された犯罪者がセックス依存症である場合には、単に刑に服させるだけではなく、その原因自体を取り除かないと再犯の可能性が非常に高いということになります。

日本はこのあたりの対策が非常に遅れていると言わざるを得ません。

 

ということで、自分がセックス依存症であるかどうかを知るためのチェックリストがありますので紹介します。

・セックスを得るためなら、たとえそれが嘘でも平気で「愛している」と言える。

・性欲を感じているわけではないのに、セックスやマスターベーションをせずにはいられなくなる。

・セックスへの衝動が高まると、自分を抑えることができなくなる。

・性犯罪を犯した、もしくはすんでのところで犯しそうになったことがある。

・セックスを終えた瞬間、罪悪感や自己嫌悪感、後悔などいやな感情に襲われることが多い。

・セックスだけが、異性を求める唯一の動機になっている。

・セックスを得るためなら、ありとあらゆる手段を用いるし、どんな努力でもいとわない。

・特に男性の場合、初めての相手の女性とのセックスにまで持ちこめた時「勝ち誇った」感じや「自分は大した人物だ」という感じをもつことができる。

・初めて出会ったばかりで、性的関係をもってしまうことが多い。

・不特定多数との性的関係の経験がある。

・セックスしている時だけが 唯一「やすらぎ」を感じられる時である。

・セックスしている時だけが 唯一「生きている」という実感を得られる時である。

・セックスしている時だけが 唯一「愛されている」という実感を得られる時である。

・セックスする前、セックスしている時は相手のことを「愛している」と思えるが、終わった途端にその感情は消え去ってしまう。

・「性」に関して「誰も知らない自分だけの秘密」が多い。

・セックスへの衝動に駆られると、リスクやデメリットのことがきれいさっぱり頭から抜け落ちてしまう。

・仕事のことなどでイライラしている時、セックスによってそれを鎮めようとする。

・異性とのコミュニケーションが苦手で、セックスがほとんど唯一のコミュニケーション手段になっている。

・ポルノ商品や風俗などに費やす金額がばく大で、生活を圧迫するほどになっている。

・性的なこと(不倫・複数恋愛・性的趣味など)が原因で、大きなトラブルに巻き込まれたことがある。(「恋愛依存症」伊藤明著より)

 

もちろん、昨日書いたチェックポイントのひとつでも当てはまればすぐにセックス依存症と言うわけではありません。

多分、かなりの項目に当てはまる人が多いのではないでしょうか。

それに年齢にもよりますね。

青春真っ盛りの男性なんかセックスのことばかり考えているようなところがありますから。

「初めての相手の女性とのセックスにまで持ちこめた時に勝ち誇った感じや自分は大した人物だ、という感じをもつ」

「初めて出会ったばかりで、性的関係をもってしまうことが多い」

「不特定多数との性的関係の経験がある」 などは、ごく当然のことと言うか、男の勲章のように自慢する人が良くいます。

また、いわゆるプレイボーイ(今はあまり言わないようですが)なんか、完全にセックス依存症ということになります。

ですから、ようするに常に依存し続けることかどうかが問題なんですね。

すでに書いた通り、こうした依存症のために犯罪行為に走る、または走りそうになると、これはかなり危険です。

ですから、少しでもそうした傾向があると自分で感じる人は一度診療内科で見てもらったほうがいいでしょうね。

では。