先日シアターコクーンで上演されている舞台「炎立つ」を観てきました。

-詳しいあらすじ等はこちらへ-http://www.homuratatsu.com/introduction.html

濃厚な作品でした。
そして「質感」を感じた作品でした。

3段の階段に3人のミュージシャンとシンプルなステージ。
そんなシンプルなステージを見事に埋める舞台演出。
布を使い、血や、雪模様を表現したり、人間の影を背景一面使ったり、キヨヒラ(片岡愛之助さん)の夢のシーンやクライマックスでは目に映る太陽の強烈な色合いはどこか絵を観ているかのようでした。

4人のコロスという死神達が独特な張り詰めた空気を作り、その中にカサラという巫女(新妻聖子さん)が歌い上げ会場を世界観に誘う。
戦いを望まないキヨヒラ、そしてキヨヒラの異父兄弟で戦いで国を継ごうとし、アラハバキ(平幹二朗さん)に魂を預けたイエヒラ(三宅健さん)、二人の戦いに翻弄され自害する母ユウ(三田和代さん)とキヨヒラの嫁キリ(宮菜穂子さん)。
シンプルな舞台上、役者陣の演技もそれぞれ強烈な色を持って映えていました。

戦いは何も解決しない。

どの時代でも当てはまるテーマだと思います。
そして"今"だからこそこの作品を上演するのにも意味があると思います。
この作品、そして役者達が放ったメッセージはもの凄く濃厚で重みがありました。

命の大切さ。
戦うことがどれだけ愚かなことか。

多くの人に観て欲しい作品です。