アルバイトは労働をすることによって発生する身体及び精神的疲労に対する時給のパフォーマンスが最も高いものをやりたいと望んでいる。
僕にとってそれは塾講師だった。
やることは今まで自分が教わってきたことを自分より年下の生徒に伝えるだけ。そして、ことのほか時給は高い。
そんな塾講師のアルバイトではコミュニケーションの一環として必然と中学生や小学生の子供たちと勉強以外のことについても話すことがある。
昨日の話し相手は中学3年生の女の子だった。
その子は年頃らしく恋愛の悩みを抱えていて僕に相談をしてきたのだが僕はなかなか困惑した。
その悩みはうまくまとめる自信がないのだが、要約すると
「2か月ほど付き合っていた男の子となかなか部活動などで忙しく予定が合わないから、という理由で別れたのだが今もその男の子が大好きで頭から離れない。耐えられなくてラインをすると俺も好きだからなどと本当にやさしく返してくれる。だから、もっと好きになってしまう。でも、これから受験ということもあってまた告白して仮にうまくいって付き合っても同じように別れることになるだろうし、かといって切り替えて忘れることもできない。どうすればいいのだろうか。」
大体わかりましたか?(笑)
わからない人のためにもっとぎゅっとまとめると要は
「叶わない恋がツライ」という悩みだ。
こんな悩みお手上げだ。何にしても不正解だろう。
「告白する」⇒フラれるor忙しくて別れる
「我慢して耐える」⇒頭から離れなくてツライ
「忘れる」⇒そんなことできない
じゃあ、どうしろと????
悟られないように下を向きながらその子の少し汚れた靴下をを思いきり睨みつけた。
無理難題を吹っ掛けてきやがってとイライラする心を必死に抑えた。
結局、その子には
「青春してるね~」
とはぐらかして終わったのだが
今になって落ち着いて考えてみるとこんな考え方が出てきた。
「相手の男の子が原因だなー。」
考えてみてほしい。
別れてきた女の子がラインをしてくる。
その行動が好意や寂しさの表れというのは簡単に推測できるはずだ。
それに対して
「俺も好きだよ」
なんて優しい言葉をかける。
その子はそりゃますます好きになってしまうだろう。
しかし、その恋は実ることはない。
そして今こんなに苦しんでいるのだ。
つまり、男の子の表面的な優しさが結果として彼女を苦しめている、という構造になっているのだ。
本人が優しいと思っていることが周りにとっては何にも優しくないってことがあるんだな、と知った。
そういうふうに考えると、自分の価値観が何も信じられなくなってきた。
何が正しくて何が間違ってるかなんて全部思いこみに過ぎないんじゃないか。
そう思って側にあった僕が牛乳だと信じている白い液体を口に含んだ。
しっかり牛乳だった。
今なら悩んでる君に言える。
「そんなひどいことする男の子はロクな奴じゃない。その子は付き合う覚悟はないのに好かれてはいたいという自己中心的な思考で凝り固まったような奴だ!!」
・・・やっぱ言えないな。
そんなことを言う勇気があるのなら、ハナから
「そんな悩み知らねーよ。自分で考えろ!」
と言えているから。
結局はこんなに深く考えても答えは
「青春してるね~」
になるのか。
やっぱり僕は男女の駆け引きが苦手だ。
読んでくださりありがとうございました。