私は、息子をどうにか成長させないと


そう思って必死に子育てをして


学校、行政に何度も思いを伝え

あの手、この手で勉強を教え


いろんな矛盾点


いろんな問題点にぶち当たって


そこから家庭教師をはじめて


勉強を通して、何かを学んでほしい


あのときのご住職の言葉のように


たった一言だけでもいい


誰かの支えになれればいい


負の連鎖を断ち切ってほしい


何か生きる術を身につけてほしい


自分のことを認めることができる生き方をしてほしい


いじめている奴に立ち向かわなくてもいい、逃れるようになってほしい


悪いことは悪いって言えなくてもいい、でも、悪いってことに気がつく人であってほしい


何か1つでいい


生きる希望や力、1つ…もっていてほしい


そんな思いでこの仕事をしている


不動明王は怖い顔をしている


だけど、必死だからこそ


その人のために、一緒に泣いて、怒って、ときにはホッとして


周りの目なんて気にしていては始まらない


私は、あの日の…私を信じてくれたご住職に恥じない生き方が今できているだろうか


心が揺らぎそうになったとき


仏様でさえ人を救うのにあんなに必死になっていらっしゃる


私の心が揺らぐのは当然だろう、覚悟がまだまだ足りてないな


そう自分に言い聞かせている


恥ずかしくない生き方ができるようになるのは、もう少し先になりそうだけど