『ドリーム・ホーム』
2010年 香港
《スタッフ&キャスト》
監督 パン・ホーチョン
脚本 パン・ホーチョン/デレク・ツァン/ジミー・ワン
撮影 ユー・リクウァイ
音楽 ガブリエル・ロベルト
出演 ジョシー・ホー/イーソン・チャン/デレク・ツァン/ローレンス・チョウ/ジュノ・マック/ミシェル・イエ
《解説》
嗚呼、阿鼻叫喚、世界を震撼させた衝撃のヴァイオレンス・スリラー遂に日本解禁!
香港のタランティーノ、次世代のウォン・カーウァイとも称されてきたパン・ホーチョン監督ならではのブラックな笑いとエロティックに満ちた残酷描写の数々は、編集権をめぐって、パン監督とジョシーが対立する事件にまで発展し、香港では公開が延期
全編の約2/3を占める、衝撃のヴァイオレンス・シーンがノーカット完全版で登場!、超高級マンションで見つかった12人の惨殺死体!異常者の猟奇的犯行か?綿密に練られた完全犯罪か?
《物語》
2007年 香港市民の月収は約1万香港ドル、だが市民の24%の収入はそれ以下だ、返還から10年で収入は1%増加する一方、住宅価格は07年だけでも15%上昇
600平方フィートの住宅も700万香港ドル以上する、湾岸エリアのマンションは1平方フィートあたり3万香港ドルになる、ここはイカれた都市、生き残るには自分がさらにイカれるしかない
2007年10月30日、香港の湾岸エリアにそびえ立つ超高級マンションビクトリア№1、その夜に管理人室に忍び込んだ何者かによって居眠りをしていた警備員が殺された
銀行に勤める銀行員のチェンは昼は銀行、夜は中古ブランドショップで働いている、心の拠り所は恋人のシントウだけなのだが彼は妻子持ち
不倫の2人の関係に未来は見えない、そんな彼女の夢はビクトリア№1の部屋を手に入れることだった
1991年、幼い少女チェンが両親や弟と一緒に暮らす下町のアパート周辺は地上げ屋も絡んだ都市開発が行われ、閑散としていた、チェンは聖母マリアに、海が見える家に住めますようにと祈っていた
2004年母が亡くなり父も肺に病を患っていた、手術の費用は12万ドル以上で貯めてきた住宅資金には手をつけたくないチェン
そして遂に見つけたビクトリア№1の物件、しかしその価格は520万ドルから650万ドルへと跳ね上がり、月1万8000ドルの返済で30年ローン、チェンは病床の父を殺害して保険金を得たが、しかしビクトリア№1は更に値上がり
2007年10月30日、ビクトリア№1を訪れたチェンは悪い噂が流れれば値下がりすると考えて住人を次々と殺害し、恐るべき血の惨劇が始まった
《感想》
「八仙飯店之人肉饅頭」以来の衝撃作と言われてます、香港映画のイメージはジャッキー・チェン等のアクション映画、香港の裏社会を描いたクライム・サスペンス、そしてキラキラした恋愛映画
これだけ猟奇的な作品は確かに「八仙飯店之人肉饅頭」以来ですね、それに香港映画で女性の裸が出てくるのも珍しい、そんなところも衝撃的でもあります
香港も日本のバブル同様に土地の値段が急騰して高級高層マンションなんて一般人には手が届きませんもん、値段としてはもう高過ぎです
そこでチェンが思いついたのが殺人事件を起こして価格を下げてしまおうって凄い計画でたしかに殺人事件のあったマンションや部屋なんて避けたいもんね
最初に警備員を殺すんですが、プラスティック製の結束バンドで絞めると緩まないのでこれで首を絞めて後は死ぬまで苦しんでる警備員を静観して警備員はカッターで切ろうとして首を切ってしまうんです、このシーンは本当に苦しそう
その後も妊婦を殺すシーンがありますが容赦ないです、縛ってビニール袋を頭に被せて掃除機で空気を吸い取ります、人を殺すのにこんな凝ったことをするかね?、これも苦しそうでした
男女4人でドラッグや乱交をしてる若者の部屋に忍び込んで殺すんですけど、ここはかなり激しいセックスシーンが展開されます、まさか香港映画でこんなのが見れるとわ(笑)
ここでの殺し方もエグイよ~女の力じゃ無理だけどそんなことはヤボってもんです、ジェイソンのような殺し方も披露して流血も凄まじいです
その猟奇殺人鬼を演じるのが「大性豪」のジョシー・ホーでマカオのカジノのオーナーの娘で超セレブで本作でも製作に名を連ねてます、彼女が主演したから資金が調達できたようなもんです
こんなハーフ美女がめちゃ残忍です、久々に強烈なキャラクターに出会いましたよ、ジョシー・ホーにはもっと派手にこれからもやってほしいですね
パン・ホーチョン監督にもこの映画のヒットでもっと自由にヴァイオレンスな作品を撮って欲しいです。
香港映画界の鬼才・パン・ホーチョン日本解禁! それが『ドリーム・ホーム』です。
観ていてニヤニヤしてるのはおいらだけ?(笑)
更に過激な続・裏237号室の『ドリーム・ホーム』のレビューはこちらです。