友達は酔っていない。
俺は、酔った田舎の彼氏を装っている。
チェックの伝票が回ってくる。友達が、『何ですこんなに高いのよ!』と怒鳴っている。
まるで茶番・・・・
デキレースだ。
ヒロミは俺の顔を見て、怖がっている。俺は、二回目だろとフッと微笑んだ。
友達は大きな声で、『ヒロミ。これだけしか飲んでないのに25万だって、どうする。』
怯えた顔が、三流以下の役者の顔だ。
ヒロミは、『彼氏さんはいないの?』と聞いている。
『今日はいないみたい。』
店員が、『カード決済もできますが・・・』と言っている
『ヒロミの彼氏も何とかしてよ。困ってんだから、男でしょ』なんて、煽りを入れてくる。
すると、店員が、『カードではいかがですか?』と、矛先を俺に向ける。
上手い事、仕上がってるもんだと感心した。
『俺、ブラックだからカードないんだよね~』というと、あたりが静かになった。
明らかに今までの俺とは違う俺に・・・・
俺は、内心お前なんかどうでもいいから、奥の奴を出せと思っていた。
ヒロミは、ガタガタと震えながら、いつもと違う俺にも恐怖心を抱いている様だった。
『お客様。お支払頂かないと困るんですよ』と、店員が言う。
俺はヒロミの耳元で、『この間もここか』と聞いた。
ヒロミは顔を横に振る。
当たり前か。同じ場所なら言うだろうしな・・・
『詳細を見せて』と、俺が言うと一人が『払うのか、払わないのかどっちなんだ!』と、凄んできた。
『払わない』と、俺はすんなり言った。
すると、場の雰囲気は一気に暗くなり、廻りの客がこっちを見ている。
さくらか・・・・
『じゃあ、そうすんだよ』と、定員が言う。
俺は、『どうすればいいの?』と聞いた。
駆け引きのはじまりだ・・・・・
つづく
ぽちっとお願いします。
俺はいう事に決めた。。。
これが、何だかんだ言っても、コイツはこの町でたった一人の知りだからだ。
『友達は大丈夫だ・・・』
『HIROTOが、なんとかしてくれたの?』
『いや、そうじゃない。』
『じゃあ、なんで?』
『初めから出来上がっていた話なんだよ。』
『どういうこと。』
『お前は、その友達に嵌められたって事・・・』
『ウソだ。その間、帰ってきた時とは、全然、違って優しくて・・』
『そうだろうな。』
『うそだよ。。。』
『本当だよ。』
『そんな、そんな、私、裏切られたの?』
『そうだ。俺の生まれた街でもよくある事だ。』
『えっ!』
今迄、自分の事を話さなかった俺が、そういうとビックリしている。
『そういうことだ。今度、行くときは、はとバスにでも乗って行って来いよ。』
そういうと、コーヒーを飲むためのお湯を沸かしに行った・・・・
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