つぐみは、黙ったままだ・・・・




俺には分かっている・・・・・



『つぐみ・・・ごめんな・・・今まで、ありがとう。』



つぐみは、顔を横に振る・・・・


そう、初めて、つぐみに逢って会った時の様に・・・・



全てが、遅すぎた・・・・



全て、俺の勝手が招いたこと・・・・


『なんで、今なの?』と、つぐみが聞いてきた。


『いろいろあって・・・・』


『なんで、私が言った時じゃなかったの?』



俺は、答える事は出来なかった・・・・


答えは、もしかすると、つぐみにとって残酷な答えかもしてないから・・・



『いつも、肝心なことは答えてくれないんだね。』と、つぐみが呟く・・・



これが一番いい方法だ・・・


また、いつ病気が悪化するか分からない・・・


そうなれば、心配もする。経済的な負担も来る。そして、つぐみが同じ病気を抱えたら・・・



これが一番の選択しなんだ・・・・



『ごねんね。勝手で・・・』



『なんで、つぐみが勝手なんだよ。』



『HIROTOが、大変なのに・・・・』


俺は立ち上がり、上着を着て荷物を持った。



つぐみも立ち上がり、俺に抱き着いてきた。



『HIROTO・・・私はここにいつでもいるから・・・ここにいるから・・・』


『ああっ。』



『じゃあ行くよ・・・』というと、


『HIROTO、いい男だよ!』と、つぐみが言った・・・



俺は、『今更、気付いても遅いだろ・・・』と、笑みをこぼした。


ありがとう。つぐみ・・・



そして、幸せに・・・・と、心の中で思った。




外に出ると、凍えるような寒さだ・・・・


別れには丁度これくらいのほうが救われる気がした・・・・



ポチっとお願いします。

人気ブログランキングへ