『ようっ!』と、俺は無理をしながら、平然を装って店に入った。
あの日以来、ここにもきていなければ、つぐみにも連絡はしていないからだ。
『ようっ!じゃないだろ。。この、鉄砲玉が!』
『鉄砲玉だって、古代の人の表現だね。』
つぐみは、奥で何か作っているようだ。
『何しに来たんだい!用件は?』
『なんだよ。客に向かって、吞みに見たんだよ。ここは、八百屋か?』
『あんたに飲ます酒はないね。』
『あっそう!じゃあ、コーヒーくれ!』
というと、ホントにコーヒーを持ってきた。
『ふざけんな、ババァ!なめてんのか!』というと、
『おおっ!久しぶりに聞いたね!そのババァっていう言葉!上等じゃない。』と、いって焼酎の瓶を
カウンターにドスンと置いた。
マズイ、思わずいつもの癖が、このババァと酒はヤバい。
『どうしたんだい?酒飲みに来たんだろ?飲もうじゃないの?』
廻りの客は、ホントにいつ来ても、同じ面子。
二人の掛け合いに、大笑い、しかしママの7本性を知っているから、触らぬ神に祟りなし状態。
『HIROTO、謝れよ』と、ザリさんが言う。
もう一人、ハチさんという人がいる。この人は、狭い店で、カウンターしかない場所で、ライターを落
としたり、タバコを落としたり、やたら物を落としたりする。取るのにも狭いから困るのだ。
このハチさん、物を落とすと『いや、うっかり!』と言いながら物を拾うので、水戸黄門に出てくる
うっかり八衛兵からとって、俺が命名した。
そのハチさんが、何を血迷ったのか『HIROTO!勝負しろー!』と言いだした。
『じゃあ、リクエストに応えてやりましょう!』と、ママが言いだした。
ヤバい・・・・
どうしよう・・・・・
つづく
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