もっとも悲しい時だったかもしれない・・・




最後の日、俺は会社で、ダンボールに荷物を詰めていた。



すると、常務が入ってきた。



『大変ですね。病気は・・・会社も辞めなきゃならなくなる』


ホントに最後までイヤな奴だ。



『ゆっくり、療養してから人生を考え、自分を見つめ直したほうがいいですよ。』


と言ってきた。こいつは、やっぱり解らせなきゃだめだな!と思った俺は常務の首根っこを掴み、



『あんたさー!俺は今日で会社を辞めるんだよ。その意味わかってないよね。会社を辞めても、俺はこ

の街に住んでるんだぜ。そして、この街は、俺の生まれた街でもあるんだ。明日、街であっても、も

う、常務でもなければ、友達でもない。もし、あんたの事を気に入らないと俺の友人が言っても、俺は

止めないよ。この街の友人は気が短いから・・・』


と言うと、逃げるように出て行った。



長いこといると、荷物も溜まるなぁ、と思っていた。



内線を入れ、事務員を呼んだ。


『悪いなぁ』といい、PCを渡した。


『バックアップ取るまできたなくないから』と言った。



俺は、全ての処理を自分のPCで行っていた。


会社のディスクトップでは、緊急の時にデータの入れ替えをしなければならないからだ。


その、ノートパソコンを初期化してくれと頼んでのだ。確認の意味でも・・・


俺は、『何年間の記憶が一瞬で無くなるんだな』と言った。



宅配便を呼び、集荷に来てもらい、ダンボール3つを自宅に送った。


PC用のカバンにパソコンをしまい、これで終わりだ。と思った時、ドアが開いた。


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