俺は、会社で、営業マンを全員揃えた。
そして、皆の前で話をする。
『今月をもって、役員の辞任と共に会社を辞職することになりました。』
『えーーーー!』と、言う声がする。
『お体の調子が悪いんですか?』
と、ある社員が聞いてきた。
『それが、一番の大きな要因です。それから、皆さんには、この事だけで、報告を終えるのは失礼と思
い、全てをお話しします。僕は、この会社の設立にも携わり、微力ではありましたが、今まで数字だけ
を追いかけてきたつもりです。しかし、若輩ながらいらせていただきますと、人とは怖いものだとも勉
強させて頂きました。やはり、みなさんが、思っているような他の役員との確執の実際、存在します。
その中で、僕は、自分なりの決断の場面に立たされました。その結果も、離職する一つのよういんでも
あります。今後においては、社長をはじめ、役員の方々、幹部の方々が皆さんと共に、今以上の発展を
していくことを心から願っています。下請け業社さんにも挨拶は済ませております。今月いっぱいと言
いましても、残り一週間しかありません。御報告が遅れたことをお詫びします。今までホントにお世話
になりました。』
『ちょっと、すみませんが、質問してもよろしいでしょうか?』
山田さんだ・・・・
『どうして、辞任、離職しなければ、ならないのですか?』
『そうだよ。』
『そうだー。』
と、みんなが騒ぎ出している。
『静かにしてくれますか?お答えします。私の人生だからです。体の件も、確執の件も含めて、私の人
生を私が決めたんです。皆さんが、そこまで思ってくれているなら、はっきりお答えします。』
『解任される前に、自ら身を引くという事です。これに対して、会社を責めないでほしい。私にも、原
因があるからこういうことになる訳ですから・・・・』
『でも、本部長が帰ってきてから数字が伸びているじゃないですか?』
『はい。それは、私の独断での判断で皆さんに手伝って頂き、作った数字です。でも、ここは会社で
す。組織です。その中で、私は組織人ではないという事なんです。理解してください。』
『残り一週間あります。みんな・・・花道飾らせてくれよ!』
というと、『本部長も考え抜いての決断なんだよ。残り上乗せして、花道飾らせようぜ!』
と、営業の一人がいい、みんな、『おおっ!』と言って気合を入れていた。
みんな、いい人だな・・・ほんとに・・・
みんな、頑張ってくださいと、思った。
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