俺は、今の自分の置かれている状況を吉川のばあさんに話した。
すると、『昔、じいさんが言ってたんだけど、企業にしろ、会社にしろ、落ちたものをまた上げるとい
う事は大変な事だと言っていた。』
『どういう事？』
『例えば、ほれ、あの滝！じいさんの愛してた滝。あんたも知ってるだろ。』
『知ってるよ。』
『あの滝、上から落ちてくる水が綺麗で感動する。でも何か問題が起きて、上に流れてる水が無くなってとしよう。どうする。下に溜まってる水を上げる方法しかなかったら大事だなぁ』
『ああっ』
『山の頂上からボールを落として遊んでる子供がいるとしよう。落としている時は、コロコロと楽しいかも、しれないがもう一度となると山の頂上に登らなければならん。これも大変だ。』
『ほれ、簡単なとこで言えば、押し入れの上に置いておいたものが、開けた瞬間、落ちてきたら、また、戻さなきゃならん。』
『言ってる意味は分かるか？』
『吉川さんらしい。』
『じいさんが、よく言ってた。』
『よくわかったよ。ありがとう。』
『で、さっき言ってた病気は治らないのか？』
『分からない。でも、手術とかで治るものではないよ。』
『やはり、さっき言っていた、ストレスが原因か？』
『らしいよ。医者が言うには・・・』
『医者を変えてみるか？言えば名医がすぐ来るぞ。』
『いいよ。俺の先生が名医だから・・・』
『お前らしいなぁ。しかし、どうしたもんか？』
ホントにいい人だよなぁ。。。
『そうだ。いい考えがある』
というと、電話を取りどこかに電話を掛けた。
もちろん、携帯ではない、自宅の電話で・・・・
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