ママは上機嫌だった。
自分の勘が的中した事に、そうなのか?つぐみの笑顔に対してなのか?それは、分からなかったが・・
しかし、困ったのは、客の方だ。
俺に、どうなの? 好きなの? ヤバいよ、ちゃんとしなきゃ!とか、まるで俺の廻りには
英語、数学、理科、社会といった家庭教師がいっぺんにいるような状態だった。
しばらくしていたら、俺も我慢できなくなり『うるせぇよ。分かったから・・・』と言ってしまった。
そう言った後、みんな、一斉に『ママ、やっぱりママの言うと通りだよ。』
すると、『でしょう~』と言う。
『?・・・』
実は、ママが旅行中俺はこういう性格で、私に勝負を挑んてきて、負けたと思ったら潔く頭を下げるような子と言っていたらし・・・
それもそうだよな。
毎日いる、つぐみが居なきゃ聞くやつもいるよな。と思った。
いきなり、『ママ、迷信って信じる。』とつぐみが聞いた。
『どうかねぇ?なんで、』
『鵜戸神宮の話をさっきしたでしょ。でも、叶わないから聞いたの』
『何をお願いしたの、つぐみは?HIROTOには、つぐみが幸せにってお願いさせたんだろ』
『私は・・・・・』と黙った。
多分・・・・
『なんだい。言ってごらん。』と、ママが言うと、
『HIROTO が幸せになります様にって・・・』
『・・・・・・・』
みんな、それでもいいのか?お願いの仕方が違うのではないか?と言う感じで黙っている。
この、ママでさえ・・・・
しばらくすると、『だって、HIROTOが私が幸せになるようにお願いして、私がHIROTOが幸せになるようにってお願いすればHIROTOと付き合う事になるじゃん。しかも、ダブルで効き目があるし・・』
『う~んっ・・・』と、このママでさえ悩んでいる。
『あーーーーー!訳わかんなくなってきた。つぐみのお願いの仕方が間違ってる。HIROTOと付き合えます様に・・ってことだろ!』
『で、HIROTOはどうなんだい。つぐみの事、どう思ってるんだい』と、半ばキレ気味!イヤ切れてる。
『どうって言われても・・・』
『そうもこうもないんだよ!好きか、嫌いか!どっちなんだよ。』
と言われ、頭に来た俺は、『うるせぇなぁーババァ!なんでこんなとこで言わなきゃなんねぇんだよ』
といってしまった。思わず・・・・
『何だと、このガキがーーー!』
『うるせー くそババァーーー』
そんなやり取りに、お客は大笑いしている。
『じゃあ、酒で勝負するか?』と訳らからない事まで言い出す。
でも、酒だけはダメだ・・・勝ち目はゼロだ・・・いつもなら上等だとかいってるんだが、こいつは酒の妖怪みたいなやつだ。
『酒とか関係ねぇーだろ!』としか言えない。明らかに劣勢・・・
『いい加減にしろよ。勝負も出来ない、女の気持ちにも返事を出来ない。最後だよ。どっちなんだよ!どっちーーーーー!』
終わった。。。。
『好きだよ。』公開告白・・・
こんなことなら、人波の中で裸で土下座していた方が、まだ恥ずかしくない位の恥ずかしさ。
『じゃあ、付き合いたいんだね。』
『はい・・・・』
『やったーーー!ママ、迷信が叶った!』といい、ポケットから何かを出した。
運 玉!
えっ!
と思い、ポケットから俺もつぐみに貰った運玉を出した。
『お前、なんでもってんの?』というと
へへへっと笑っている。
『じゃあ、付き合うんだね。』
『付き合うんだね!!!!』と、ババァがまた騒いでいる。
『ああっ。』
『つぐみは?』
『はい!』と、元気よく返事をした。でもなんで、ここで言わなきゃいけないんだ・・・・
『キス!キス!キス!』と結婚式のような大合唱。ウソだろ。
『ほら、みんなが言ってんだから』と、ママが言う。
『嫌だよ。なんでここでするんだよ。』
『バカだねぇー。ここだからいいんだよ。みんながいる前だから・・・みんなが証人でみんなが祝福してくれるなんて嬉しい事じゃない。それに、HIROTOも、悪さできないしね。』
と言い、つぐみをカウンター越しの俺の前に連れてきた。
俺は、立ち上がり、つぐみに近寄り、つぐみも俺に近づき、キスをした。
みんな、おおおおっーーーと盛り上がっている。
が、カウンターの上に乗ったっていた、カボチャの煮付けが俺の洋服にべったりとついている。
それを見て、みんな、笑っている。すると、ザリさんが
『つぐちゃん、鬼も洗濯岩で洗ってあげなよ』といい、また、大笑いした。
いろいろあったが、記念すべき日になったのは間違いないと思った・・・・
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