安心できる場所、安住の場所・・・




俺は病気になる前、ほとんど毎日のように飲み歩いていた。


でも、若い女の子のいるところへは行かない。


部下と一緒の時は、付き合いで行っていたこともある。



なぜなら、めんどくさいのだ。


俺は、変なところは神経質で、変なところは面倒くさがり屋なのだ。


『お名前はなんていうんですか?』『おいくつですか?』『お仕事なにされているんですか?』

彼女たちも大変なのは分かるが、俺からすれば、全て営業トークに聞こえてしまうのだ。



営業マンの職業病。。。


なのかな?



そんな中、俺は路地を曲がり、今、こんなのねぇだろというような、木で出来た引き戸を開けた。


『ひさしぶりーーー!』


『生きてたか?ババァ!』いうと、客がゲラゲラ笑っている。


本人さえも笑っている。


廻りもの客も『元気だった?』と聞いてくる。


『ああっ』と答える。


廻りの客と言っても、カウンターに6人に座ったら満席な店。今日いる客も全員知り合い。


そんな店だ。


『何飲む?』


『水!』と答えた。


『もう、いつものはいいから何飲むの?』と聞いてくる。


あっ!そうだ。いつもの冗談がホントになったんだよな。医者から薬と酒を一緒に・・・と当たり前の説明も受けているし鬱病の薬、神経の薬はアルコール御法度だ。



でも、いえねぇしなぁ。


『生くれ!』


チビチビ飲んでりゃ、平気だろ。


今日は楽しそうだと思った。



つづく


ポチっとお願いします。

人気ブログランキングへ