予定回収金額迄、1700万。



これには、チョット厳しい感じがしていた。


確定回収金額が純粋にいって、1300万だからだ。



後は、営業売り上げで、手付け金での回収のみとなる。


1700万のキャッシュとなれば、売り上げで3400万必要になる。




これを、営業マンに言っても、絵に描いた餅になってしまう。


危うくば、せっかく上がってきた士気の低下ににつながるかもしれない。



リスクが大きすぎる。



残り1000万まで引き下げるか?


悩みどころだ。


しかし、この業界は、月末に売り上げが量産される傾向がある。



しかし・・・・



俺は、修正を選択した。


回収金額、2200万!


当初、1200万のショートを穴埋めするという事を考えれば、良しとしなければならない時もある。




社長をはじめ、役員は1200万の回収が出来ると、安心しきっている。



バカだなぁ・・・


現場が終わらなければどうにもならない事を忘れている。



それに、下請けの給与を遅配していることも・・・


今が、刈り取る時期だという事を忘れ、稲刈りが終わった後のお祭り騒ぎによく似ている。



これが、正体だ。月末には『俺がしっかり指示を出したからだ』と、社長は言うだろう!



そんなことはいいが、今日も案件で作業着を着て、指示を出し、自分も動く!


これが、何よりの活性化につながる。



一件の案件は、いけると確信を持てたので、『明日から会議や営業で忙しくなるから、コレないよ。』


といい、最後に『支払いの件は、今、動いてるから、ここは必ず間に合わせえてね。』と、いうと


『営業さんに手伝ってもらって終わらねぇんじゃ、カッコつかねぇからな!任してくれ!』と、返事が返ってきた。



問題は、もう一件か。



俺は、その案件に向かった。正直、体調も悪い。ましてや、問題の現場だ。



案件に到着すると、『おはよう!』と、下請けが元気よく言ってきた。


『調子悪くて、休んでたんだろ。昨日も具合良くなさそうだったし。作業着、脱げよ!』と、言ってきた。


『えっ!』



『お前がそこまでしてやってんのに、終わりませんでしたじゃシャレにもなんねぇよ。』


『正直、誰も挨拶に来ないんで、どうでもよくなってたんだけど、お前見てたらそうもいってられなくなってよ。今日から、応援を3人たんだからよ。お前は無理すんな。職人の意地にかけても終わらせるから・・・かといっても、仕上がりはいつも通りの完璧でよ。わはははっ!』

と言った。イヤ、言ったではなく、言ってくれた。


俺は小さな、聞こえなような声で下を向き、『ありがとう』というと、涙がこぼれた。


みんないい人だ。人の気持ちを分かるいい人・・・



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