坂田が運転をしている午後を回るくらいだ。
腹が減り、パーキングエリアに入り、二人で蕎麦を食べた。
缶コーヒーを買って、車に乗り込むと、携帯が鳴った。
『もしもし』
と答えると、『この大変な時にどこにいんだー!』
声の主は、常務だ。
俺は、何も言わず、携帯をプッと切った。
『だれですか?』と、坂田が聞いてくる。俺は、『太鼓持ち』と答えた。
又、携帯が鳴る。『どうして、電話を切るんだー!俺はお前の上司だぞー!』と言っている。
というより、言ってしまったのかもしれない。。。
俺は、『ふざけんなぁー!何が上司だ!てめえは、社長の顔でも拝んでろ!』
といい、電話を切った。
ふざけたヤローだ。
『そんなことして、平気なんですか?』と坂田が聞いてきた。
『ダメだろ。普通。』と答えると、
『ですよね~』と坂田が答えた。
そんな話をよそに俺は頭の中で電卓を叩いていた。
昨日の契約が合わせて420万。
回収残が550万。
通帳残高が、営業経費を引いて130万。
契約金は半金なので210万。
合算額で、890万かぁ。
俺の脳裏には1200万という数字はあくまでも底辺の金額だった。
下請けの遅配分、今月の支払い分を合わせると経費、材料費、などを合わせると3000はいる。
この間、この話をしようとしたがやめた。
皆自分の事しか考えていない奴らに、話しても時間のロスだ。
もう一手打つべきだなぁ。と考えていると、
坂田が、『さっきの人は誰なんですか?』と聞いてきた。
そうだよなぁ。
コイツには何も話していなかったから、不思議に思うのも当たり前だ。
『実はなぁ~』と、坂田に話し出した。
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