俺は、営業室に向かった。
そこには、常務がいた。
大きな声で、営業マンたちを怒鳴り散らしている。
常務とはいえ、会社の立ち上げには参加していない。ヘッドハンティングといえば聞こえはいいが、
社長のコネで入った来た人間だ。
俺は、常務に『おはようございます。』と、一言だけ言った。
常務は、『おはよう!今、ミーティング中だから後で・・・』と、言ってきた。
こいつは、何で俺がここにいるのか分かっていない。
イヤ、社長の事だ、言っていないんだろう。
矢面には立たない人だから・・・
俺は、『常務。今日から営業は俺が指揮しますから・・・』と、いうと
『何?俺は社長直々に任されてるんだ。余計な事をするな』と、以前とは全く違った態度で噛みついてきた。
『長々、休んでいた人間が偉そうに言うな』と、激怒している。
バカだなぁ~
『長々、お休みを頂いていたのはすいませんでした。ホントはまだまだ、休みたいんですが、社長から連絡があり、僕も無理を押してきているんです。』
と、答えると、『社長が?なんでだ?』と聞いてきた。
バカだなぁ~
社員たちは戦々恐々としている。
『経理の仕事は会社にとって大切な仕事です。しかし、土俵が違う。数字が悪ければ、それだけで判断されるのが、営業です。社長は多分、数字が悪いから僕に連絡をしてきたんだと思いますよ。』というと、
『営業が数字を持ってこない。だから、こうなるんだ。』と言い返してきた。
『そうですね。でも、数字が上がらない責任は最終的にだれの責任でしょうか?』というと、常務はムッとした顔で、営業室から出て行った。
人には持ち場があるんだよ。と、俺は心の中で、そう思っていた。
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