要はこういうことだ。
ここ数ヶ月、売り上げが落ちている。
決算まで三ヶ月・・・・
そこでなんとかしなければならない、という話だ。
時間を取ってくれという話でもあった。
俺は断ろうと思ったが、傷病手当や自分たちで立ち上げた会社という思いからか承諾した。
次のに、近くのファミレスで俺は社長を待っていた。
しばらくすると、社長が入った来た。
『痩せたなぁ~』と言いながら、メニューを取り珈琲を頼んだ。
『実はなぁ~』と、いうところから話だし、永遠に終わらないのではないかという位、一人で話をしている。
要はこういう事だ。
営業の世界には契約を締結させるということが最大の目的である。
いわゆる、クローズするということだ。
その役目をするのがクローザーという人間になる。
そのクローザー陣がことごとく契約を落としてきているというのだ。
俺には何となくわかった。
当たり前の話である。
営業という仕事は、モチベーションを保つことが一番難しいというのが俺の持論だ。
その、モチベーションを維持させるのが、我々の仕事なのだ。
それを怠れば、売り上げは上がらない。そんな事は、あんたが、俺に教えてくてた事だろう。と、
言いたくなった。
しかし、この人はもう昔の社長ではない。裸の王様だ。
何を言っても聞かないだろう。
そんな事を思っていると、
『お前も家にばかりいても良くならないだろうから出てこいよ』
勝手な人だ。
俺は『俺が出て行ったって、社長が無理な事を俺に出来るわけないですよ』
と、思いっきり嫌味を言った。
『社長はお忙しいですから、直接の指導は難しいでしょうが、他の役員は何をしているんですか?』
と、聞いてみた。
すると、『一生懸命やってるよ』と答えが返ってきた。
一生懸命?この人からこの言葉が出るとは・・・
常々、頑張ったって結果が出なければしょうがい!と言っていた人の口から一生懸命?
開いた口が塞がらないとはこの事だ。
『で、僕に何をしろというんですか?』と聞くと、
『売り上げを上げるんだよ。お前が自ら動いてでも売り上げを上げるんだよ。』
それが答えか。。。。
俺は、ふざけんなと言いたいとこだったが、『主治医と相談しますんでちょっと時間をください』と答えた。
つづく
ポチっとお願いします。