半導体の影響とは、原因は何?
半導体の影響はいつまで続くの?
2021年中ごろからすでに半年以上影響が続いています。
2022年6月現在1年にわたり影響が出続けています。
蓄電池の打ち合わせがありました。
「蓄電池を7月に設置したいけど、間に合うの?」
現在、半導体の影響でエアコンなど様々な家電設備が遅れています。
なぜ、どうして? そんな疑問にお答えします。
こんにちは、成功電気の今井です。
愛知県北名古屋市で電気設計を20年ほど続けています。
中部電力電気工事委託店として主に
蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの設計施工を500件以上実施しています。
また、工場や店舗、倉庫の省エネ改装を行っています
もくじ
家電設備が入らない3つの原因
家電設備の納品遅延が本格化、いつまで続くか
海外の物価が4%以上高騰
中国の商品が強くなる理由
まとめ
2022.6.1 更新
2021.12.11 更新
2021.7.19 作成
1,家電設備が入らない3つの原因+3
2022年6月現在
プラス1つ目
中国の半導体受託製造(ファウンドリー)最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)からは前向きな情報
6月1日上海のロックダウンが解除されたことで、元々もっといつまでも続く予定をしていたものが
早く終息したことで半導体の生産量の拡大が期待できるようになり、不足の解消が進みそうです。
しかし、ロックダウンの解除により消費活動が加速し、半導体部品の取り合いになるリスクが高まります。
プラス2つ目
ウクライナはネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなど半導体製造に必要なガス(希ガス)の産出国
ネオンガスについては世界需要の約7割を供給している。
半導体各社は事前から別ルートからの調達を模索、あるいは有事に備えて多めに在庫を確保していました。
しかし、戦争の長期化により備蓄量にも限界がき始めています。
そのため、戦争がいつまで続くかによって半導体の不足が悪化するリスクがあります。
合わせて、製造コストの上昇が懸念されます。
2022年1月現在では、下記プラス
新型コロナの感染による人手不足、半導体の組付け工程の停滞や
エネルギー不足により、輸送に時間がかかっている
原因も乗っかってきました。
①製造工場の火災トラブルと、②アメリカの停電の後に中国も停電、③新型コロナ需要による需要過多です。
その影響により、家電設備の納品ができなくなっています。
さらに、国際情勢による輸入規制の影響があります。
①製造工場の火災トラブル
2021年2月にはルネサスの工場でも火災が起き、半導体の供給不足に陥りました。
ルネサスエレクトロニクスは6月25日、火災で生産能力が低下していた子会社の半導体工場の生産能力が、
24日に100%復帰したと発表した。出荷量の完全復帰にはあと1カ月ほどかかる見込み。
もう1件
2020年10月に旭化成の半導体工場で火災が起きました。
生産を断念しました。通信機器や音響機器の製造にダメージ。
②アメリカの停電
また同年2月にはアメリカにおける大規模停電による工場停止といったアクシデントもありました。
「米国テキサスにおける寒波の影響」だ。2021年2月に米国テキサス州を襲った寒波により、半導体製造工場や化学プラントが停止し、半導体供給および樹脂供給に大きな混乱をもたらしたという。戸澤氏は「半導体はもちろんだが、化学プラント停止による樹脂供給の停滞の影響が大きい。その影響が特にコネクターなどの電子部品にも出ており、入手の難しい状況が生まれている。コネクターの受注金額は平時に比べ4倍以上になっている」と語っている。
さらに中国の停電の影響も大きくなっています。
当初はオーストラリアとの不仲による石炭不足や、急激な経済活動の回復と聞いていましたが
脱炭素推進が主な理由ではとなっており、これでは2025年まで影響が継続することになります。
③ウィズコロナ、アフターコロナ需要
「世界的な半導体不足の影響」
テレワークによるPC需要や、体温計測器などの装置の需要や
COVID-19により一時生産が止まった反動から自動車販売が急回復したことによる影響や、
5Gスマートフォン端末の拡大がありました。
2,家電設備の納品遅延が本格化、いつまで続くか
初めは、
オートロックの工事を受注した際、パナソニックからアイホンに変更しても納期が半年待ちとなり
エコキュートも、機器を手配できないかと何件も問合せがありました。
次はエアコン、7月に三菱が半導体の影響で出荷が止まり、他メーカーにも影響が波及するそう。
蓄電池、パワコンも同様に7月以降の納期が付かなくなりました。
2022年まで納期が付かないようです。
2021年12月現在では、照明器具や太陽光発電のパワコン納期は2022年2月以降と商社から連絡が来ている状況です。
日に日に納期が伸びていく肌感覚です。
2022年6月では、電気に使うブレーカーや圧着端子までなくなってきました。
高圧ケーブルも全然入ってきません。
こちらは半導体とは直接関係ないですね。
1年経った今でも、改善されるよりは悪化している肌感覚です。
いつまで続くかは測りかねる状況です。
3,海外の物価が4%以上高騰
海外はインフレ率が上昇4%以上に
https://shikiho.jp/news/0/429431
他の材料不足にも拍車がかかり
中国の商品の力がどんどん強くなっていきます。
日本のもったいない精神で、原材料高騰の影響から安価な中国製に行くのではなく
国産品の再利用に力を入れていきたいです。
新品の中国製と、中古の日本製で、同じ金額だったらどちらを選びますか。
今、周りの人からは中国製に移行しようって話が大多数です。
中国製 EV車 約45万円 宏光 MINI
(上汽通用五菱は上海汽車とアメリカのゼネラルモータース(中国語名:通用汽車)などが設立した合弁会社)
全長2920mm×全幅1493mm×全高1621mmの小さなボディが特徴で、バッテリー容量は9.2kWh 4人乗り3ドア
トヨタ EV車 約170万円 C+POD
全長2490mm×全幅1290mm×全高1550mmの小さなボディが特徴で、バッテリー容量は9.0kWh 2人乗り3ドア
メーカー希望小売価格(税込)1,716,000円
既存の駐車場に2台止めることができるサイズ感。2.5m×4.5m
トヨタは気が利いていて、現状の駐車場をうまく利用できるサイズに設計されています。
ただ、4人乗りと2人乗りの違いで、120万円以上高いトヨタのEVを買う理由としては、既存の駐車場に2台止めれる利点ですかね。
4,中国の商品が強くなる理由
以前から、アパレル系など中国の一部で生産している商品を破格で作っている話を聞きます。
先ほどのEVの価格差もそうですが
太陽光発電や蓄電池、家電製品は中国製がとても安い。
さらに最近は性能も高くなっています。
もう一つ、私が考えていたことと真逆でビックリした話。
実は日本で買う炊飯器が3万円前後なのに、中国では6万~8万円
安くていいものならそりゃ爆買いします。
まとめ
半導体不足の原因は多くの事情が絡み合い起こっていてすぐに解決可能な状況にはないです。
早く復旧できることを切に願っています。
高くても販売でき、多く売れる海外に必要な資材が流れる現状を聞き
悔しいというか、情けないというか。
仕入れができないと商売にもならないです。
火災の影響の改善は来年2022年までかかるそうです。
政府は2021年6月に、「半導体・デジタル産業戦略」を策定し、半導体のてこ入れに「国家事業として取り組む」と宣言し
10月14日、台湾の半導体製造大手TSMCは、2021年度第3四半期決算説明会の中で、日本に半導体工場を建設する
と発表した。
工事の着工は2022年で、2024年の操業開始を目指す。
と発表がありました。
ということは、この半導体不足は短期的なものではなく
長期的な課題と政府が認識しているわけです。
2024年まで我慢することは零細企業には不可能
2年以上もの間どうするつもりなのか
私なら別の事業にシフトしたくなってきます。
現状、車はまだ高くていいものを守れています。
しかし、電気自動車に市場が移ったら無意味です。
愛知県民としても、何とかトヨタに頑張っていただきたいです。
EV車の未来についてこちらで詳しく記事にしました。
おわり
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