エコキュートって、電気代が高くなったから光熱費が高くなるのでは?
給湯器を選ぶ際、気を付けておきたい光熱費
ガス給湯器、エコキュート、エネファームと給湯器も様々な商品があります。
エコキュートの3大デメリット
1,場所がかさばる
2,お湯切れするリスクがある
3,購入価格が高い
オール電化にしているけど、
最近電気代が高くて、節約しても安くならない方
元々、賃貸集合住宅に住んでいた時は、
電気代とガス代で合わせても2万円行くことはほぼなかったのに、
オール電化一戸建てに住んでみると冬は2万円なんてすぐ超えちゃう。
エコキュートだと電気代が高くなりやすいデメリットについて。
2024年のオール電化事情を解説します。(2022年のブログを更新)
デメリットを補えるメリットも解説していきます。
また、太陽光発電とエコキュートの組合せ方法についても解説します。
作成:2022年4月27日
更新:2024年12月7日
こんにちは、成功電気の今井です。
愛知県北名古屋市で住宅の電気設計を20年ほど続けています。
中部電力電気工事委託店として主に住宅の
蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの設計施工を500件以上実施しています。
もくじ
エコキュートのデメリット
電気料金の値上げあった
ガス給湯器との比較が難しい
追い焚きコスト、温水配管距離による
その他
エコキュートのメリット
電気は選べる
災害時にも安心な2つのメリット
環境にやさしい使い方が2倍になる
エコキュートのメンテナンスはしてますか。
1,エコキュートのデメリット
1-1 電気料金の値上げあった
エコキュートを設置した年代によって、大きく分かれるポイントがあります。
2016年までに設置した人、
2017年以降に設置した人
(ほぼ全電力会社で価格改定、下記は中部電力)
2016年までEライフプランのナイトタイム
13.70円+3.36円(再エネ賦課金)=17.06円(2022年)
16.11円+3.49円(再エネ賦課金)+2.59円(燃料調整費)=22.19円(2024年)
いつの間にか値上がりしていました。
2017年以降スマートライフプランのナイトタイム
16.30円+3.36円(再エネ賦課金)=19.66円(2022年)
16.52円+3.49円(再エネ賦課金)+2.59円(燃料調整費)=22.6円(2024年)
元々2010年の電気代ナイトタイムは10円を切っていました。
だから、スマートライフプランと比較すると10年で2倍の電気代になったんです。
2010年のころは、エコキュートの電気代は1ヶ月1000円前後(割引含む)でした。
2021年では、2000円を超えます。2016年以前に設置した場合と比較するとデメリットとなります。
しかし、ガス給湯器と比較するとランニングコストは安くなります。
とはいえ、ガス給湯器(都市ガス)と比較すると2021年でも光熱費は2倍以上になったはずのエコキュートのほうが安いです。
うまいことできていて、
現在と10年前とのエコキュートの設置コストの比較もこの価格差に反比例して安くなってきています。
だから、
10年前の設置費用は高いけど、電気代は安く済みました。
ガス給湯器とエコキュートを単純に比較すると
どちらを選んでもデメリットではないです。
毎年ちょっとずつ高くなってきて元が取れたくらいで故障するみたいな感じです。
1-3 追い焚きコスト、温水配管距離による
追い焚きを頻繁にする場合、エコキュートだとコストがかなり割高になりデメリットとなります。
ガス給湯器とエコキュートの追い焚き方法の違い
エコキュートの追い焚きは、タンクの中に張り巡らされた配管内に、
湯舟の冷めたお湯を循環させて温めなおします。
100℃以下のお湯が入ったタンクの中に、30~40℃のぬるま湯を通すので、
なるべく細い管で効率的に熱交換させる必要があり、そうするとポンプの負荷が上がり、
配管を通す水圧も高くできないため追い焚き配管中でまた冷めてしまう量が増えるデメリットとなります。
1-4 その他
深夜に室外機が動くため、騒音が出るデメリット。
や
ガス給湯器とエコキュートを比較すると購入価格が割高な部分のデメリット。
や
深夜にタンクにお湯を溜めるため、湯切れする場合がある。
とこのようなリスク、デメリットがあります。
ガス給湯器の場合は、追い焚きも給湯時と同じように沸かすので効率的に違いは少ないです。
結論としては
追い焚きをよくする人は、ガス給湯器をオススメします。
追い焚きをよくする人にガス給湯器をすすめる理由がもう一つあり、
入浴剤を入れる私は、エコキュートで追い焚きすると、
細い配管内に入浴剤を入れたお湯が循環するため、劣化が早まってしまうデメリットがあります。
取扱説明書を読むと書いてありますが(実は追い焚き機能があるガス給湯器、エコキュート共)入浴剤はNGです。
どっちもダメなんですが、配管が細い分、エコキュートのほうが影響が多いと想像できます。
2,エコキュートのメリット
2-1電気は選べる
ガスと比較した話です。
ガスの場合、都市ガス地域であれば都市ガス業者と契約し、
プロパンガス地域であればプロパンガス業者と契約する必要があり、デメリットとなります。
電気の場合は、
小売電力(新電力)は自由に選ぶことが可能となっており、
また太陽光発電などで自分で発電した電気を使うことも選べます。
下記記事に今までも上がり続けている電気代が、今後はもっと高くなることが確定しているので、
私は自分で発電した電気をいかにうまく使えるかを考えますよ。
万が一災害で停電したときや水道が止まったとき
エコキュートがあると常に370ℓ以上の水(お湯)を貯めているので安心です。
取り出す方法を事前にチェックしておきましょう。
もう一つのメリットは、
例えば太陽光発電と全負荷型の蓄電池があると、
ガスと電気が止まっても普段と変わらずにお風呂に入れます。
世界的に見ても日本人はお湯の使用量NO.1なので、この安心感は大きいと思います。
2-3 環境にやさしい使い方が2倍になる
エコキュートは、空気の温度を利用してお湯を作ります。
なので、ガス給湯器と比較しても省エネになり、電気温水器と比較すると3倍の省エネになっています。
さらに、
太陽光発電などの再エネ電力は発電してくれるタイミングは環境頼みとなるため、
調整するには蓄電池など電気を貯める設備か、
エコキュートのような熱エネルギーを貯める設備が必要となりデメリットを補えます。
今後、
再生可能エネルギー普及のために割合を増やしていく場合、
どうしても需要と供給のバランスをとってくれるエネルギーを貯めれる蓄エネ設備が必要となってきます。
3. エコキュートのメンテナンスはしてますか。
エコキュートはイニシャルコストをランニングコストでペイする必要があるので、
なるべく長く使わないとコストの回収ができません。
だから、ちゃんとメンテナンスして長持ちさせましょう。
1,追い焚き配管の洗浄をなるべくやる。
2,タンクの逃し弁を数秒開けて、タンク下にたまっている錆びなどを排出する。
メンテナンスをしっかりやることでデメリットを補いましょう。
エコキュートと太陽光発電の組合せ
エコキュートは、夜間電力の安い時間帯の電気でお湯を作ります。
太陽光発電の固定買取金額と、エコキュートが使う電気料金(夜間電力)を比較してどちらが安いか
2022年は固定買取10KW未満は17円、エコキュートの夜間電力は16.3円+再エネ賦課金3.45円=19.75円
2024年は固定買取10KW未満は16円
エコキュートの夜間電力は16.52円+3.49円(再エネ賦課金)+2.59円(燃料調整費)=22.6円(2024年)
なので、売るよりも夜間電力の電気を買わずエコキュートの自家消費を行った方がメリットがありました。
かつ、自家消費電力は環境価値ともなるためプラスアルファで加味が可能です。
エコキュートは災害時の備蓄水源タンクともあるため、災害対策との相性もよいです。
コロナのエコキュート
手動で行うソーラーモードとHEMSで自動操作するソーラーモードプラス
三菱では「お天気リンクAI」は、「Maisart」
パナソニック AI ソーラーチャージ機能
太陽光発電とエコキュートを併用するメリット オール電化にすべき?
オール電化の定義が最近は変わっています。以前は、オール電化=時間帯別と割引、というイメージで割安でした。
2016年以降のオール電化は形が変わりました。
パナソニック
対応機種:JP、J、N、C、W、NS、H、FP、F、Lシリーズのソーラーチャージ搭載
コロナ
年間給湯保温効率(JIS)4.0を達成した「プレミアムエコキュート」などのフルオートタイプ、オートタイプ、給湯専用タイプなどをラインアップしたソーラーモード
基本的にはHEMSを導入してネット接続の上、太陽光発電の発電量と天気を予測して昼間にお湯を作る運転を行います。
まとめ
オール電化は2016年以前、以後で費用対効果がずいぶん変わってくる。
節約しても電気代が安くならないのは、電気代高騰が原因
電気代のリスクを避けるなら、太陽光発電と蓄電池がおすすめ
さんざんエコキュートの文句を書きましたが、エコキュートは好きです。
エコキュートは原発の副産物というイメージが強い感がありますが
この1/3のエネルギーでお湯を作る技術力は、世界にアピールできる設備だと頼もしさを感じています!
わたしの推測ですが、
石油石炭由来の発電は環境負荷が大きいという理由で淘汰されていき
原発もプルトニウムの最終処分コストで割高な電気代となります。
(廃炉費用も原発の燃料コストのはずですが、別費用に分類されている)
天然ガスは、コージェネレーションシステムの燃料として優れていますが、現在の採掘方法では環境負荷が大きい。
と、再エネに有利な環境対策としての経済的なメリットをプラスする施策が来年度から始まります。
こちらでちょっと営業のリンクです。
エコキュートと合わせてご検討ください。
おわり
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