【書名】トヨタの役員秘書が見たトヨタのできる人の仕事ぶり
【著者】石井住枝
【発行日】2005年5月9日
【出版社等】発行:中経出版
【学んだ所】
・第1の能力:現場感覚 できる人は、現場の情報を大切にする。
- 疑問に思ったら現場に行け。答えはすべて現場にある。
- 仕事のできる人は、意識的にたくさんの電話をとっていた。
- 言葉の端々に注意を払い、本質を聴く力をつけなければ、仕事のできる人にはなれない。
- 物事の本質は見えないところに隠されている。
・第2の能力:時間管理 できる人は、時間を最大限に使いこなす。
- 複数の案件を同時に考えることでむしろ、思考が広がったり、新しい発想が生まれる可能性もある。
- 上のポジションになり、忙しくなればなるほど、頭をスピーディーに切り換える必要がある。
- 複数の仕事を並行に進めていくのが通常。複数の仕事をうまく組み合わせて、すきま時間をムダなく活用する。
- 仕事の内容ごとに所要時間を計算して、細切れ時間・すきま時間をうまく活用しながら、効率的に処理していく。
・第3の能力:合理主義 できる人は、本質的な効率を考える。
- 仕事をどれだけ平準化できるかで、ムダがなくなる。今日できることはその日に片づけることがムダを防ぎ、作業の効率化につながる。⇒本当のムダは仕事のなかにある。
- より大きな仕事を成し遂げるには、必要に応じてアウトソーシングしながら、スタッフみんなで処理していく、連携力ができなければならない。
- できる人ほど、当たり前のことをきちんと身につけたうえで、さらに上の仕事がまかせられるという信頼を獲得している。
・第4の能力:委任力 できる人は、部下を信頼して仕事を任せる。
- ヒントを与えながら、自分で結論を導き出せるように仕向けていく。
- 仕事をやり遂げたときには、褒めるステージを設ける。褒めるときは正々堂々と、叱るときはこっそりとは鉄則。
- 効果的に教えるための五つの方法
- 言ってきかせる
- やってみせる
- 聞いてみる・言わせてみる
- やらせてみる
- 書いてみせる
・第5の能力:育成力 できる人は、人を成長させる力をもっている。
- 指導を厳しくするかどうかよりも、その後のフォローをきちんとすることのほうが大切。至らない点を単に指摘しただけでは、やはり人は育たない。
・第6の能力:解決力 できる人は、トラベルのときにこそ真価を発揮する。
- 大きな問題が起きたときこそ、冷静に判断して、適切な指示を出すことが求められる。それをどう解決するか、どんな対策を打つかが重要。
- 自分の仕事として大きなものであっても、会社全体を見渡す視点を忘れてはいけない。
- 常に、自分がいま、どういう状況にいて、なにをなすべきかをしっかり見定めなくてはいけない。
- 自ら進んで責任をとる姿勢が大切である。
・第7の能力:コミュニケーション力 できる人は、横軸の人間関係を積極的に構築する。
- 核になるネットワークをもっていることが、仕事を進めていくうえでも役立つ。
- 人脈を築こう、情報収集しようとムリに意気込むのではなくて、できる人は、日常と違う場に触れることで、視野を広げる努力をしている。
・第8の能力:応用力 できる人は、常に横展とカイゼンを心がける。
- 画期的なアイデアや大胆な案がすぐに出てくるとは限らない。しかし、ほんの少しでもカイゼン点を見つけ、工夫を加えていくことが大切。
- もっとも大切なことは、横展でチェックしたら必ず、目に見える形で残しておく。危機感を常にもちかながら行動する。⇒どんな話題であっても自分のことに置き換える力こそが、応用力をみがく秘訣。
- 会話にせよ、討論にせよ、同じ土俵に立って話をはじめることが前提。
・第9の能力:自己認識 できる人は、自分の生かし方を知っている。
- 得意ではない役職にムリして就くより、自分をより生かす道に進んだほうが、結局、ハッピーなのではないか。
- 人を生かすこともリーダーの大切な条件。
- 切迫した問題を解決しなければならないとき、自ら率先することも大切。
- つらいときこそ、自分の話を聞いてくれる存在は、貴重。身体を動かしてリフレッシュできたり、話を聞いてくれる友人や仲間、家族がいるのは自分の心のバランスをとるうえでも、重要な要素。
- 学ぶことは、自分のプライドとも戦うことなのだ。
- 気づきを与えてくれる学びの場が必要。苦労して学ぶ、できなくて叱られる。会社以外にそういう場所を持ち続けることが、必要。できる人は上のポジションになっても、決して偉そうにふんぞり返ったりはしない。
- 基本は人を育てること。マイナスをプラスに変えていく力を評価する。
- できる人は、周囲の人に素直な感謝の気持ちを示し、順調なときも逆境のときも、うまく対処できる懐の広さをもっている。
・第10の能力:感謝の心 できる人は、周囲への心配りを忘れない。
- 自分のために動いてくれた人がいる。その人に対して感謝という気持ちがあるから、心が伝わる。
- 以前にはなかった変化を感じたら心に留めておき、マメに声にかけ、トラブルの未然防止につなげる。
・上司や同僚と連携を図り、スタッフを育成しながら、自己啓発してゆくこと。優秀なビジネスマンであると同時に、1人の人間として魅力的であろうとする志向も出来る人の特徴。
・日々の業務に前向きに取り組み、仕事に誇りをもつことで、一つひとつの能力が磨かれていく。自分を客観視し、理想に近づこうと努力することが大切。