傷口に塩はもみこまないでください。 | せきらら性教育

傷口に塩はもみこまないでください。

バレンタインでーのとき、わたしが留守をしていたせいかもしれない。


わたしが、バレンタインデーに家にいて、しっかりとサポートをしていれば、事態はこんなことにはならなかったかもしれない。


「いや、君がいたら、最悪を通り越してたね」

「おかあがいなかったから、立ち直れたんだよ」


・・・。


家族の信頼がうれしいなあ(怒)。



日本から帰ってきて、ちょっと息子の様子がおかしいことに気がつきました。なんとなく沈んでいる。ふむ。フルートで参加することになっている音楽祭が近くなっていて、それの練習がきついせいかな?


「バレンタインデーはどうやった?」


ときいても、


「うん・・・」


くらいしか、いわない息子。すると、だんなが袖を引く。


「ちょっとちょっと・・・」

「なんどすか?」

「なんかねー、様子がおかしいんだよねー。プールにも行かなくなっちゃったしー。バレンタインデーにも何にももらってなかったんだよねー」

「なになに?」

「それでさー、ほれ、例のイヤリング 、あげたの?って聞いても、曖昧な答えしか帰ってこなくってさー。それで、ジョーンは何にも言わなかったようなんだよね・・・」

「お礼もかい?」

「うーん・・・よくわかんないけど」

「最近の若いもんは、ものをもらうのが当たり前やと思ってて、礼もよう言われへんのやな。あかんなあ」

「うーん・・・そうなのかなあ」

「ちゃうかもしれんなあ・・・」

「かわいそうだよねぇ」

「ま、ええんちゃうか?」


とうような会話があった数日後。


息子の部屋の散らかり具合にだんなの堪忍袋の緒が切れました。こういうときには、わたしはこっそりと自分の部屋に避難をします。なぜなら


わたしの部屋も同じくらいに散らかっているので(汗)。


それで、遠くに二人の会話を聞いていると


「これ、なに。このイヤリング、これどうしたの?」

「・・・し、しらない」

「ジョーンにあげたんじゃないの?」

「あ・・・あげたよー。あげたー」

「じゃあ、なんで、イヤリングがあるの?」

「し・・・しらない。だ、誰かが、わ、忘れて・・・いった・・・ん・・・じゃ・・・」

「じゃあ、友達に電話して聞く?」


・・・だんなよー。


察してやれよー。


しょうがないので、


「ダンナ、ダンナ。ちょいと話がごさんす」


と、だんなのすそを引く。


論点を整理すると


1) このイヤリングは断じて盗んだものではなく、あの例のイヤリングに違いない。

2) それがあるということは、あげることができなかったに違いない。

3) あげられなかったことがいえないから、曖昧にごまかしていたに違いない。

4) ばれたら困るから、隠していたに違いない。


「それを見つけてな、なんでこれがあるねん、ってきかれても、答えられへんやん」

「で、でもー。隠してたし、ごまかしたし」

「だから、それは、いえへんからやん」

「むぅ・・・」

「そやのに、そんなに迫ったら、傷口に塩を塗り込んでるみたいもんやん」

「・・・」


翌朝。


朝ごはんが終わったときにさり気なーく聞いてみました。











































「なあ、

ジョーンには

ふられたんか?」

↑ぜんぜんさりげなくないって。思いっきりいきなり核心にせまっとるし。




息子は、照れたようにうなづいて、


「でも大丈夫。もう立ち直ったよ」


と、けなげに笑っておりました。


後ほど、だんなに報告すると、


「あー、なんてかわいそうなんだー。ふられちゃったのかー」

「まあ、そんなもんやって。本人は立ち直ったっていってるんやし、ええやん」

「冷たいねー、君はー。かわいそうだよ。うちの息子の何がいけないのかききたいー」


・・・冷たいってか?

傷口に塩を塗りこんどったんはお前ちゃうんか?


と、ちょっとキレかけたりしたわたしでした(笑)。お前もふったろかー、とか言って。


そして、だんな。


「ねえねえ、何があったか聞きたくない?」


・・・聞きたい。


が、今回は好奇心を黙らせました。やっぱりね、仁義ってものがあらぁ。


ま、とりあえず。失恋をして、大人への階段をまたひとつ、息子は登ったんだわ♪


失恋を乗り越えて、むすこよー、おおきくおなりー。


そして、息子の初恋を応援してくださっていた皆様、ありがとうございました。