骨髄検査の結果、ヤツの性質がわかった。

96%にCD19というアンテナが確認されたので、そのアンテナをT細胞と結合させ、己のT細胞で攻撃させるというビーリンサイトの投与が決定した。
昨年販売開始になったお薬。
我が子が移植前にケモでの寛解か
こちらでの寛解を目指すか
提示を受けたお薬だ。

その頃は使用例がほとんどなく
効くかどうかわからない、
という事で見送りとなった。
あの時これを選んでたら、
抗がん剤の副作用であるアドリアマイシン心筋症にならなかったのかな
より深い寛解を得られて
再発しなかったのかな

タラレバを言ってしまった…

今このお薬を使っている方たくさんいらっしゃるようで、骨髄抑制もあまりなく、吐き気も脱毛も無し、今までの抗がん剤とは全く違うようだ。
そのかわり28日間ずっとつながれる。
2週間の休薬の後また28日間。
果てしない。


デキサートの先行投与で
4割あったヤツが
28→9.5→1.5%まで減った。
ステロイドでこんなに減るのか。
初発時も再発時もそうでしたよ、お母さん
と主治医は言うが
全然覚えていない。

ステロイドで治るんちゃうの?
と言おうとしたら
お気づきの通りステロイドでは治らないので…と先に言われてしまった。

しかし正直
短期間にここまで減るとは思わなかった、
と主治医。
足湯だ!昼寝だ!音楽鑑賞だ!
と勝手に思う事にした。

ブロガーさんや健康オタクの病棟ママにも
病院がする事は対処療法だけ
病気を治すのは結局自分の体なんだから
と言われて、毎日必死だ。
必死になるのはダメ!楽にやらないと
と言われるんだけど。

しかしヤツをかなり減らせた状態で
ビーリンサイトの投与が開始できた。

我が子は薬剤性の心筋症を発症している。
熱、サイトカインが敵だと
だから風邪がダメだと
春まで入院の予定だった。

でもビーリンサイトの主な副作用は
サイトカイン放出症候群。
やはり投与2日目から熱が出てきた。

ステロイドで見たこともないくらい
心拍も血圧も落ち着いていたのが
ビーリンサイトを始め、熱が上がると
心拍が160以上、血圧は70まで下がった。

T細胞に頑張ってもらわないといけない治療だが、これでは心臓がやられてしまう。
アセリオと利尿剤で踏ん張っていた主治医も、お母さん、ステロイド行かせてください、と再度デキサートを投与する事に。
徐々にステロイドを減らしていく事になった。

ステロイドを投与すると
心拍も血圧も怖いほど正常。
誰が考えたんやろ、ステロイドって。


car-Tやハプロ移植の事も聞いている。
ビーリンサイトは移植への橋渡し的な位置付けのお薬なので、単体で治癒は望めないと言われたからだ。
心臓の事があるので、car-Tもハプロ移植も大変な危険が伴うと、京都大学では断られた。

でも、それでもと受け入れてくれる病院はあるかもしれない。
その時の体全体の状態で、やはり残りの時間を、となるかもしれない。
あきらめるのはいつでもできる
今はビーリンサイトがよく効くことを願って様子を見る事だ
と再発、難治性の血液専門の先生に言われた。

12/13、国立生育医療センターのHPに
『car-T細胞療法(キムリア)の
 提供可能施設に認定されました』
と新着情報があった。
転院した戦友ママから、少し前に
キムリアの認定施設でも小児の受け入れは
仙台と北海道のみだ、と聞き
生育ならむしろ小児のみのはずだ!と
主治医に詰め寄ったら
「その話はまた、
 場を設けてゆっくりしましょう。」
と後退り。

認定されたばかりの病院では
「私、失敗するわけには行かないので」
と逆に断られるだろうか。

主治医の先生
最近週末、学会や会議ばかり行っている。
その会議で東京からも東北からも
先生達集まってくるんでしょ!
なんか聞いてきてください!
と言ったら、また後退り。

私の圧がよっぽど強かったのだろう。
でも発表される側ばかりは、ごめんだ。


今日は土曜日。
我が子とゆったり授業で作った迷路をバージョンアップさせている。

「工事現場のお兄さんが
 もう一つスコップ欲しいんだって、
 スコップ拾って届けてからゴールね!」

ストーリーを作って2人で競争すると
もっともっと、と、
どんどん新しいコースをイメージする。

「ここは子供エリア!
 ここは事故現場エリア!
 ここは働く人にお疲れ様のお手紙を
 届けてる郵便エリアだよ!」

すごい集中力だ。

ちょうど3時だよ、
疲れたでしょ、お昼寝しようか、
というと
うん、
と言ってことんと横になった。

「お母さんといると、
 おやすみの日も色々な事があるな。
 手浴したり
 色んなアイデアで遊んだり…」

と言いながら寝てしまった。

母冥利に尽きますなぁ…(//∇//)

こんなゆったり幸せな時間、
なかなか家に居たら過ごせないもんね。