9日のIMFコンファレンスについて ‐パネルディスカッションでのパウエル発言‐ | ニューノーマルの理 (ことわり) Powered by Ameba

9日のIMFコンファレンスについて ‐パネルディスカッションでのパウエル発言‐

IMF主催で9日に開催されるワシントンでの会議はロゴフの実績を讃えるもの。 そのアジェンダの中に政策パネルがあり、ここにパウエルがパネリストとして登場する。

メディアのいう「9日、ワシントンでのパウエル講演」というのは、このような位置づけのもの。

 

他のパネリストはIMFのゴピナート、イスラエルのヤロン中銀総裁なのでメディアに取り上げられるのはパウエル発言のみだが、主軸となるのはロゴフとパウエルの実質2人。

 

政策パネルのテーマはマネタリーポリシーなので、結論としては「引き締め」であること間違いなくロゴフの考えとしては、仮に利下げがあったとしても、市場の漠然たる考え「利下げ=ゼロ金利を連想させる連続利下げ」ではない、といったもの。彼の考えは利下げが多少あったとしても、高金利の長期化でありゼロ金利は考えられない、ということになる。パウエルも同様。

 

メディアにはタカとハトしか存在しないが、実際にはそんな単純ではなく、あえていうのであれば繰り返すように「基調タカ」である。金利を据え置いたとしても量的引き締めは継続され、「ゼロ金利に向かっていくような単純な連続引き下げ」のような本当のハトは実現せず、高金利が来年も含め長期継続される。インフレ圧力の低下が確認できない事から、現時点ではどうしてもこのような見通しになる。

 

どのような議論になるのかはわからないが、今年最後の会合まで時間は残されており、9日に決定的な発言がでてこずとも徐々にこのような認識が広がっていくことだろう。換言すれば、金利にフォーカスしたとして、それが高いか低いか(利上げ・利下げ)ではなく、高金利がいつまで継続されるのか、といった時間軸の議論が拡大していくのは間違いない。