武田勝頼が生き残るためには、どうすればよかったのか? 単純です。織田信長と徹底的に最後まで戦わないこと。適当なところで和睦する、同盟する、無理なら降参して家来になる、とにかく「天下を獲る」という夢を、捨てればいいんです。
しかし、そのためにはまず、父・信玄を否定する、という大事業を成し遂げなければいけません。
「父の方針は間違っていた、武田は天下を取れない、現実を見よう」ということです。これは、神の如く尊敬されていた信玄公にダメを出すということです。
これに武田の家臣一同が納得しなければ、織田との和睦も同盟もありえまえん。合戦に勝つより、よほどの難事業です。
しかし、織田と敵対し続ける以上、早晩、滅亡は免れません。土壇場で降参してもダメです。早いうちに現実を見て方針転換できるかどうか、です。
そのために、勝頼は父を斬れますか?(心の中で)。
戦国武将で成功した者は、みな、父を斬ることができた者です。