我輩は子育てをした事がない。

 

 子供がいないというか、作れないので仕方ない。ただ、周りに犬が多ければ、たぶん賑やかでそれなりに楽しんでおれたとは思う。ぐうたらも子育てをしたというが、怪しいものじゃ。ただ、夜遅くまで働いて帰って来て子供の寝顔を見て、朝は子供が寝てる間に会社に行く。土曜も出勤か、ただ疲れて家で一日中寝てるだけ。なんとか日曜日には少しだけ子供と遊ぶという生活を繰り返し、子供の教育とか世話をやったといえるのじゃろうか? ふと気づいたら子供は家を出て、代わりに我輩がおったのじや。

 

子育てなんてあっという間なのじゃワイ!!

 

*****

 

 群像7月号で「この世の喜びよ」井戸川射子作の芥川賞受賞作を読みました。

1ヶ月程前に芥川賞の発表があり、図書館で予約するには、単行本では数カ月後になると予想して、群像の掲載号を調べて予約・入手して、まあ早く読めたと思います。

 

 芥川賞は新人作家の登竜門で有名ですが、その候補作になるには、文芸誌に掲載されることが必要です。そうでないと候補作を選び切れない程小説が多いそうです。その文芸誌(群像、文芸、文學界、新潮他)に投稿される小説は毎年2000以上あるそうです。よく見たらその文芸誌に2〜3の新人小説が毎月掲載されてます。つまり半年で100程度の小説が文芸誌に掲載され、各文芸誌で新人賞とか佳作になった小説が芥川賞候補になるのです。しかも芥川賞は純文学で原稿200枚の長さの小説が多いので、人間と社会をしっかり描いて、尚且つ切実な問題を描くとか問題提起する小説が多いようです。

 

 「この世の喜びよ」は、子育ての喜びを描いているようです。しかも、時々"あなた"という二人称を使っています。"あなた"が主人公であったり、子育ての仲間のような響きを持つ事もあります。子育てを終えた主婦がバイト先で見かけた少女と親しくなり、少女の生活を知るにつれ、自分の子育ての楽しく大変な時期を思い出します。またバイト先のショッピングセンターのいろんな人間からも自分の過去を思い出すのです。まあ子育ては大変だけど楽しかったという私小説です。

 

 正直に言って、女性の子育て感の小説なので、わたしにはピンときませんでした。こう書くと相方に怒られますので、この程度の感想で留めます。この書を読んで涙する方も多いだろうと推察します。文章が詩的で美しく光る瞬間があるのは感じますし、この小説の最後の一文が全てを物語っていると感じました。

 

++++++++++++

 

株は2月下落のアノマリーを無視して、そこそこ頑張ってます。なんとか踏ん張って春爛漫上昇を期待したいものです。