犬の整体って本当に大丈夫?

「パテラです」と言われたら知っておきたい、犬の整体と獣医療の境界線

今日は、少しデリケートなお話を書きます。

2026年10月1日、公益社団法人日本獣医師会から「飼育動物に対する『整体』等について」という資料が公開されました。これは、日本獣医師会が農林水産省へ照会し、その回答を受けて掲載されたものです。

「犬の整体って、どういうものなんだろう?」と感じることがありました。

人の整体をされていた方が犬の整体を始める。犬について数回の講習を受けて民間資格を取得する。そして、「この子、パテラがあります」「骨盤が歪んでいます」「ここがズレています」「ここが悪いです」など、犬の身体について説明する。

もちろん、犬の身体を大切に思い、勉強されている方もたくさんいらっしゃると思います。

だからこそ今回の資料をきっかけに、飼い主さんにも一度考えてほしいことがあります。

「資格を持っていること」と「獣医療として診断できること」は同じなのか?


「整体」という名前だけでは判断できない

今回の資料で大切なのは、「整体」という名前だから一律にダメ、という話ではないということです。

重要なのは、実際に何を目的として、何を行っているのか。

「健康維持のためのケア」なのか、「病気やケガを治すための施術」なのか。

また、「この子はパテラです」「この子は股関節が悪いです」「この症状は○○が原因です」など、犬の疾病や健康状態について獣医学的な判断をしているのか。

ここには大きな違いがあります。

農林水産省への照会回答では、動物の疾病や健康状態について獣医学的な判断をしたり、疾病・傷害の治療を目的として行う行為などについて、獣医師法上の「診療」に該当し得ることが整理されています。




「パテラです」と言われたら?

飼い主さんには、ぜひ知っておいてほしいことがあります。

「パテラ」とは、一般的に膝蓋骨脱臼を指します。もし誰かに「この子、パテラがありますよ」と言われたら、一度、動物病院で診てもらう。

Eightでは、それが大切だと考えています。

「資格がある=何でもできる」ではありません

現在、愛玩動物看護師には国家資格があります。

必要な教育課程を修了するなどの要件を満たし、国家試験に合格して免許を受ける資格です。

それでも、愛玩動物看護師=獣医師ではありません。

それぞれに資格の役割と業務範囲があります。

だからこそ、「犬の○○資格を持っています」という言葉だけで、「この人は犬の病気を診断できる」と考えるのは違います。

民間資格そのものを否定するつもりもありません。

大切なのは、

その資格で何ができるのか。
何を学んだのか。
どこから先は獣医師に委ねるのか。

ということ。

資格の名前だけではなく、その人の専門領域と限界を知ることが、飼い主さんにとって大切なのではないでしょうか。


Eightが大切にしていること

Eightは、動物病院ではありません。

だからこそ、わからないことを「わかったふり」しない。

これを大切にしています。

犬に「いつもと違う」「歩き方がおかしい」「痛そうにしている」「触られることを嫌がる」など、気になる変化があれば、必要に応じて動物病院で診てもらう。

私たちは犬の生活を預かる仕事をしています。

だからこそ、命に関わることだから、自分たちの専門領域を越えない。

これも大切な責任だと思っています。


「誰が言ったか」より「何を根拠に言っているか」

犬に関わる仕事には、さまざまな専門家がいます。トレーナー、トリマー、愛玩動物看護師、ドッグマッサージ、整体、アロマなど、それぞれに専門性があります。

だから、「民間資格だから全部ダメ」とも思いません。

逆に、「資格を持っているから全部安心」とも思いません。

自分の専門領域と、獣医療の領域をきちんと区別しているか。ということです。


わんこのために、一番大切なのは

飼い主さんが「何が正しいのかわからない」となってしまうことがあります。

だからこそ、「整体を受けてはいけない」と言いたいわけではありません。

ただし、病気やケガの診断・治療が必要なときには、まず獣医師へ。

これは忘れないでほしいと思います。

そして、「○○と言われたけど、本当かな?」と思ったときは、もう一度動物病院で確認する。それでいいんです。

大切な家族だからこそ、「資格があるから」「有名だから」「口コミがいいから」だけで決めるのではなく、

誰が、何を根拠に、どこまでのことをしているのか。

そこを知ってから選んでほしい。それが、Eightから飼い主さんに伝えたいことです。


わんこファーストだからこそ

わんこがわんこらしく、安心して、楽しく、その子らしく生活できること。

それが一番大切です。

だからこそ、できることはしっかり行う。でも、できないことをできるとは言わない。わからないことは専門家につなぐ。必要なときには動物病院へ。

自分たちの専門領域を守ることも、わんこを守ること。

私たちはそう考えています。

今回、日本獣医師会からこのような資料が公開されたことをきっかけに、

「犬の整体ってどうなんだろう?」

「この資格って何ができるんだろう?」

「この説明は診断なのかな?」

と、一度考えてみるきっかけになればと思います。

誰かを否定するためではありません。

大切なわんこのために、飼い主さん自身が情報を選べるようになるために。

これからもEightは、わんこファースト。

その気持ちを大切にしていきます🐾


【参考資料・出典】

公益社団法人 日本獣医師会
「飼育動物に対する『整体』等について」
2026年10月1日農林水産省

「獣医師、獣医療」獣医師法

※本記事は、飼い主様への情報提供を目的としたもので、特定の施術者、資格、サービス等を否定・批判することを目的としたものではありません。

※個別の行為が獣医師法上の「診療」に該当するかどうかは、実際の行為の目的・内容等により個別具体的に判断されるそうです。