ザ・コーポレーション堀江社長絶命 (某夕刊紙一面の大見出し)
……ビックリしたなあ、もう!
知らない人が見たらホリエモンが死んだのかと思っちゃうよね?
(ホリエモンは年下なので、あえて、そう呼ばさせていただく)

ホリエモン逮捕のニュースは、他の重要なニュースをすべて
ブッ飛ばしてしまった。これには別の意味があるかもしれない。
それは後述するとして、個人的には誰かが逮捕されたニュースを見て、
こんなに「かわいそうだ」と思ったことはない。

物事には常に「表と裏」の二面性がある。
見方によって二種類の考え方が常にできる、ということだ。

表面的には、ホリエモン逮捕は最近流行の株買収により会社を大きく
していく手法に警鐘を鳴らしている、というホリエモンを完全に犯罪
者として扱うマスコミの論調。特に、ホリエモンがプロ野球球団買収
に名乗りを挙げて以来、彼のことを目の敵にしている某新聞社系列の
テレビ局などは「それ見たことか」と、嬉々としてホリエモン非難の
報道を繰り返し、誠に見苦しい。特に「これが報道でござい」って顔
して、端っからホリエモンを問題児扱いするような質問ばかりしてた
オバサン・キャスターと、得意気なヒゲづらの怪しい記者の二人は、
某独裁オーナーの傀儡だったのか、と疑ってしまいたくなるほどだ。

一方、その裏には多くの人が抱く「出る杭は打たれる」の格言通り、
企業買収を繰り返す会社拡大手法に対する「見せしめ」ではないか、
という感覚的感情論もある。それが事実かどうかは別として、意外と
そうした国民の直感は、遠からず的を射ていることが多い。

実際、政財官の思惑が一致した人たちによる好ましくない力が強力に
作用していたであろうことは、容易に想像できる。ここからは私見。

このスピード逮捕劇は、誰の誰に対する「見せしめ」だったのか、
またはこのニュースによって誰が一番得をするのか、それを考えれば
大筋のシナリオは読めてくる。普通に考えると、財界の一部の経営者
たちによる、企業買収を繰り返す新興経営者やフィクサー的ファンド
運営者たちへの警告と見せしめ、ということになるが、それだけでは
メリットが少ない。しかし、そこにホリエモン擁立の小泉責任を問う
声が加わってくると、胡散臭くなってくる。抵抗勢力と呼ばれた小泉
憎しのジイサマたちの顔が思い浮かんでくるからだ。しかも、彼らが
最も癒着していた国土交通省と金づるだった土建屋たちが、今まさに
マンション建築偽装問題で追い詰められようとしていた。そうなると
いつ、彼らの口から責任所在の火の粉が自分のところまで飛んでくる
かもしれない、という瀬戸際でヒヤヒヤしていた政治家や官僚もいた
だろう。つまり、ホリエモン逮捕を今、仕掛けることで最も得をした
のは、国民や野党の目がそちらに向かわせることで、マンション偽装
問題追及のムードに水を差してウヤムヤにしたい政官の大物、と見る
こともできる。そんなカラクリさえ、ホリエモン逮捕の影に見える。

マンション偽装問題の根は、拝金主義の経済性論理に他ならない。
そんな企業の経済性論理が世の中(特に米国)を支配していることに
疑問を呈し、数々の実例を挙げて糾弾しているのが、現在公開中の
カナダ製長編ドキュメンタリー映画『ザ・コーポレーション』だ。
経営学の神様、ピーター・ドラッカー氏をはじめ、『華氏911』の
マイケル・ムーア監督他、多くの著名批評家たちも出演していること
で話題となり、アメリカでも単館系でロングランのヒットを記録した
『ザ・コーポレーション』は、問題意識のない人には2時間を超える
上映時間が辛いかもしれないが、興味深い事実を次々提示している。

例えば、カナダや欧州各国では、米国産の牛乳の輸入を一切禁止して
いるらしい。米国の畜産業者たちが生産性(経済性)を上げるため、
牛に成長促進剤を投与し、その結果、有害物質が米国産牛乳から検出
されたからだという。日本も米国の経済性論理の前に屈して牛肉輸入
を再開した直後、経済性とは対極にある問題で再び輸入を禁止した。
いまだ米国政府は、業者の経済性を優先させる態度を翻していない。

ホリエモン逮捕の影響でフッ飛んでしまった重大なニュースの数々を
この映画を見て、もう一度思い返してほしい(……総合評価★★★)

先日、米国では拉致被害者の横田めぐみさんのドキュメンタリー映画
が上映され、「初めて知った」という人から大反響があったらしい。
しかし、なんで日本人がこれを作らなかったのか、大いに不満だが、
こうした硬派のドキュメンタリー映画が一般的に注目されるキッカケ
つくったマイケル・ムーア監督にも、とりあえず拍手を贈りたい。
なぜ、世界中で米国だけ銃による殺傷事件数がケタ違いに多いのか、
それを突撃アポなし取材で全米ライフル協会元会長のチャールトン・
ヘストンまで引っ張り出して問題提起した『ボーリング・フォー・コ
ロンバイン』(2003年)の功績は、映画の枠を超え社会的意義にまで
及ぶものだ。ドキュメンタリーを一般大衆レベルの話題にまで広げた
という意味でも、まさに価値ある名作だった(……総合評価★★★★)



ジェネオン エンタテインメント
ボウリング・フォー・コロンバイン



ジェネオン エンタテインメント
ボウリング・フォー・コロンバイン マイケル・ムーア アポなしBOX



ジェネオン エンタテインメント
華氏 911 コレクターズ・エディション



ジェネオン エンタテインメント
マイケル・ムーア ツインパック 「華氏 911」×「ボーリング・フォー・コロバイン」 (初回限定生産)