孤島の十人（扶桑社ミステリー） [ グレッチェン・マクニール ]
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古本入手してあった、2023年3月発行、グレッチェン・マクニールの「孤島の十人」を読了…久々の海外ミステリー。日本での発刊こそ、昨年ではあったものの原書が出たのは2012年と…かれこれ10年以上前。巻末の解説によると…2017年に映画化もされているんだけど（Ten: Murder Islandというタイトル）、この本の発刊時点では日本には入ってきていないそうだ。DVDスルー、配信スルーで出ててもおかしくないんだけどな。えーと…カバー裏の紹介文にも書かれているんだけどクリスティの「そして誰もいなくなった」パターンのサスペンスであり、解説を担当されている千街晶之さんの言葉を借りると…登場人物がティーンエイジャーということで、映画の「スクリーム」や「ラストサマー」あたりのオマージュも含まれているとのこと。まさにその通りで…金持ちのイケイケ女子からパーティーに招待された同級生たちが、彼女の家族の所有する別荘へ繰り出す。そこは船でないと渡れない離島であり…島の中には別の家庭が所有する別荘がもう1軒あるだけの辺鄙な場所だった。しかも、肝心な招待主の到着が遅れてしまい…とりあえず先着している10人の男女が、別荘で一夜を過ごすことになる。招待主を介した集まりなので、中には別の学校の初対面の者も含まれていたり、はたまた元カレ、元カノなんていう微妙な関係の男女も鉢合わせしてしまったりする。カップルが成立しているところもあるけど、一癖も二癖もある連中なので…全体的にどこかギスギスとした状態。そんな中で、1人の女子が“首を吊った状態で発見された”のを機に…次々と惨劇が起き、事故なのか事件なのか、参加者の中に犯人がいるのか、それとも見知らぬ第三者が侵入してきているのか…パーティー参加者たちの中でどんどん疑心暗鬼になっていく。惨劇が始まる前の、作中人物たちが顔合わせする段階の記述および、巻頭に掲載されている登場人物の一覧（そこに書かれている紹介文）で…大方、なんでコイツらが狙われるのかというのはわかってしまう。それでも、次に誰が犠牲になるのかなサバイバル感は適度に味わえ、一応は…“意外性のある犯人”など用意されている。ただね…巻末解説で、同じ「そして誰もいなくなった」パターンとして引き合いに出されていた、綾辻行人の「十角館の殺人」あたりと比べてしまうと、ヤラれたという気持ちのいい驚きが味わえるわけではなかった。そうそう…近々Huluで「十角館の殺人」のドラマ版が配信開始されるそうで、自分も見たいなと思っているので…その前に「十角館の殺人」を再読しようと思ってるんだ。そうだ、次は「十角館の殺人」を読もう！

グレッチェン・マクニール 孤島の十人（扶桑社・文庫）

グレッチェン・マクニール　孤島の十人（扶桑社・文庫）