河合莞爾 スノウ・エンジェル(祥伝社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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スノウ・エンジェル (祥伝社文庫) [ 河合莞爾 ]

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積読本の中にあった古本で…2021年5月発行、 河合莞爾の「スノウ・エンジェル」を読了。2017年6月にハードカバー単行本で出ていた作品を文庫化したもの。ひとつ前に読んだ「デビル・イン・ヘブン」のシリーズ続編、物語的には前日談になる。「デビル・イン・ヘブン」では15年前に巻き込まれた事件のせいで、刑事の職と共に、自分の存在もすべて捨て、逃亡者の身となり、自分を陥れた事件の首謀者、真犯人への復讐に燃えていた元刑事の男にスポットをあてた話。逃亡者の身となり数年経ち…復讐の目途もぜんぜんたたず、諦めかけていた時に、刑事時代の元上司に居所を知られてしまい、その上司の薦めて…女性麻薬取締官が主導する潜入捜査に協力することになる。ちょうど世間では麻薬中毒者が起こした凄惨な事件が注目されており、どうやら背後には“依存度がとてつもなく高い”新種のドラッグがからんでるらしいと。その供給者を突き止め、根っこから退治したいと…女性麻薬捜査官は言う。その依頼を渋々と受けた元刑事…既にマトリが狙いを定めていたプッシャーの男に近づき、そこからドラッグの供給者に迫ろうという作戦だが、元刑事の男は、日常に蔓延するドラッグの現状を目の当たりにしてとにかく驚く、そして身を引き締めて、ドラック撲滅に心血を注ごうとするんだけど…。発刊当時は“近未来”を描き、SF的な要素も少なからずあった前作「デビル・イン・ヘブン」と比べると…そこまで現実離れもしてなくて、普通に現代ものとして読める。しかし…シリーズもの、シリーズ続編だというのも忘れていなくて、前作に関連するネタはけっこう入ってる感じ。若干、こじつけ感もありつつも…そういう繋がりなのねという驚きも待っている。全体的に本作の方がテンポもよく読みやすい…ページ数のボリュームも含め、読み応えは前作の方が上。前作ではギャンブル依存症、本作では薬物依存症を真っ向から描いていた本シリーズ…共通するのは社会に対する矛盾なのかな?なんて漠然と思ったり。



 河合莞爾 スノウ・エンジェル(祥伝社・文庫)