河合莞爾 デビル・イン・ヘブン(祥伝社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?

デビル・イン・ヘブン [ 河合莞爾 ]

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積読本の中にあった古本で…2017年6月発行、河合莞爾の「デビル・イン・ヘブン」を読了。2013年12月にハードカバー単行本で出ていたものの文庫化。実は、ハードカバーの方も古本で入手していたのだが、ページ数が多く、厚めの本で、重たかったので、後回しにしていたら読む機会を逸してしまい、そのままになってしまった(そっちも積読のどこかにあるはず)。今回は…本作の後に書かれたシリーズ続編の文庫版も入手できたので、一緒に購入しなおす。単行本、文庫共に…発刊当時は“近未来”だった2023年をメイン舞台に…日本初のカジノを管轄下に置く“聖洲カジノ特区”というリゾートシティ(現実の世界で“海の森公園”があるあたり)で、とてつもなく大きな陰謀がうごめき、そこの警察署に赴任することになった刑事(もとい、前の署では刑事だったんだけど、異動先では生活安全課に属するので正確には刑事という呼称ではなくなる…と、作中でも説明されていた)が、その渦中にどっぷりと浸かってしまう。一方、遡ること15年前…別の刑事が、別の事件を追いかけてる最中、真犯人の罠にハマり、とんでもない状況に追い込まれる。その刑事は…真犯人を見つけ出し、復讐するために、警察を離脱…“逃亡者の身”になりながら、真実を追求していたんだけど、どうやら謎を解くカギ、真犯人が“聖州”にあるらしいということで…この街にたどり着き、もう一方の主人公である現役警察官が巻き込まれている陰謀とバッティングしていく。といった感じのお話。事件の内容などはあまり細かく触れないでおくが…ギャンブル依存に対する警鐘を真っ向から描いた社会派な面を前面に出しつつも、現実と虚構のバランスが程よく、普通の警察小説ではありえない展開になりながらも、そこまでアンリアルってほどでもなく、エンタメとして非常に面白く読めた。もちろんコロナ前に描かれているので、“2020年に予定通りオリンピックが東京で開かれた”という設定なんだけど、あえて今読むことで“現実と似て非なるIf感”がより強調され…でも、オリンピックにも汚職が絡んでるみたいな、10年以上も前の作品で描かれていて…こういうところは現実を予見したようなリアルさで、けっこう不思議な感覚を味わえたかなと。過去の事件の真犯人、陰謀の首謀者の正体は…正直、予想の範囲内ではあったものの、一介の警察官や逃亡者の身の元刑事がどこまで立ち向かえるのか、最後までしっかりと緊張感は持続する。