シャクラ(2023年)
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WOWOWでエアチェックしておいた「シャクラ」を鑑賞…ああ、寅さんの妹か…って、それは“さくら”、カードキャプター…それも“さくら”、オヤジギャグはそれくらいにせー!スイマセン、なんかギャグをかましたい気分になっちゃったのよ。えーと、実際はドニー・イェン監督(共同監督)、主演によるアクションです、アクション監督にドニーの盟友、谷垣健治さんという最高の布陣でもある。原作は金庸の武侠小説…と、解説の受け売りをしてみるも、武侠映画の原作者として名前を見かける程度で、よく知らん。たぶん中国版の池波正太郎みたいな人なんだろう…。
宋代の中国…武装集団“丐幇”の幇主・喬峯は英雄として皆から慕われていたのだが…ある日、副幇の馬大元が殺され、馬大元の妻から名指しで犯人扱いされてしまう。さらに、喬峯が漢民族ではなく、敵対する契丹人であるという出自が明らかになり、それも追い打ちとなり、“丐幇”を追放されることとなった。喬峯は自分を罠に嵌めた人物を探すとともに、出自をしっかり調べようと…自分を育ててくれた両親の元へ向かうが、そこでも親殺しの、そして、武術を学んだ少林寺でも師匠殺しの濡れ衣を着せられ絶体絶命の窮地に陥る。無事に無実を証明できるのか?
武侠アクション、嫌いじゃないが…だいたい、この手の作品って、小難し漢字で書かれた固有名詞を覚えるのが大変で億劫、最初はとっつきにくさがあるのよね。本作も、のっけから登場人物がいっぱい出てきて“●●の××だー!”みたいな、自己紹介をするシーンが多いのよね。ドニーは“武術集団・丐幇の幇主”って設定なんだけど、要は組織のボスなんですよ。で、いっぱいいる部下を束ねてて、仲間のために色々と戦ってたんだけど…ある日、同胞殺しの濡れ衣を着せられ、さらには組織と敵対する民族の出自であるという不確定な情報まで暴露される。
寝耳に水のドニーが、いくら抗議、弁明をしても受け入れられず…“責任取って死ね”って息巻いてる連中を鎮めることができない。今さっきまで…一緒に行動していた腹心の部下なんかも、おろおろしながら、結局は同胞の意見に従うしかない。そこで、ドニーは潔く、ボスの座を降りると宣言…とりあえず、自分の本当の出自を調べるため、育ての親や、修行を積んだ少林寺に足を向けるんだけど…そこでも“別の複数の殺人事件の容疑者”にされ、今まで英雄だったドニーが、どんどん堕ちていく。視聴者からすると、明らかに“策略に嵌った感”ありありだ。
でも…そんな言いがかりを覆す方法なんか、この時代にはなく、かつての仲間たちとガチンコバトルが避けられなくなる。ドニー1人に対し、相手は集団、それこそ今までの直近の部下みたいなのが束になってかかってくる!こんな状況で無事に濡れ衣を晴らすことができるのか?そもそもドニーは何者なのか?なんでこんな目に遭わなきゃならないのか?最終的には、ドニーを嵌めるという絵図を描いた黒幕を捜し出し、直接バトルになるわけで…。とっつきにくいのは序盤だけで…ドニーのアクションが始まっちゃえば、ストーリーも問題なく追いかけられたよね。
見せ場には、ワイヤースタントやド派手なCG・VFXが多用されている…安っぽい作品、アクション慣れしてない役者だと、そういう演出のせいでアクションが逆にチープに見えてしまうことが多いけど、そこは本気印のドニーのアクションと意外と相性もよく、爽快で痛快な無双アクションが楽しめるので、さすがだなと思った。一部の作品にドニーも出ていた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズをちょっと前に見直す機会があったんだけど…あの手の懐かしさもありつつ、CGの使い方なんかは洗礼された現代風のところもあって、最後まで面白く見れた。
途中で、ある女性と出会い、行動を共にするようになるドニー…彼女の方もドニーのことを親しみを込めて“兄さん”と呼ぶような間柄になるんだけど、まぁ、色々と人間関係が複雑に絡んでいるので…2人に関して、なかなか壮絶な展開も訪れる。でも、一番の衝撃…いや笑撃だったのは、彼女への素直な想いが出てしまったラストカットだろう。ネタバレになるので詳しく語れないんだけど…登場人物のセリフではなく、物にかかれたメッセージの翻訳が字幕で表示されるんですね。そこに書かれていた“ある一文字”を見て…思わず、“いつの間に”ってなった(笑)
監督:ドニー・イェン カム・カーワイ
出演:ドニー・イェン チェン・ユーチー リウ・ヤースー ウー・ユエ カラ・ワイ チョン・シウファイ グレイス・ウォン
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