愛と疑惑の果て(2024年)
日本初登場作品をソフトリリース、または劇場公開前に放送するWOWOWのジャパンプレミアでエアチェックしておいた「愛と疑惑の果て(原題:Haunted Heart)」を鑑賞。ギリシャの孤島でレストランを営むミステリアスなオーナーシェフの男性と、新しくやって来た従業員の女性が恋に落ちるも…幸せは長く続かず、って感じのサスペンス。ヒロインと恋に落ちるシェフ役に「アウトサイダー」のマット・ディロン…ディロンも老けたなと思ったが、それもそのはず、もう60歳(現在の年齢)。なんや、おじーちゃんが年甲斐もなく若い女に惚れる話でもあったのか(笑)
ギリシャのとある町に到着したアレックスは、町のレストランで案内係として働くことになっていたが…そのレストランは、船で渡らなければいけない孤島にあった。しかもトラブル続きで、到着が遅れてしまったアレックス…既に別の案内係が採用されていたが、オーナーのマックスのはからいで、接客係として働けることに。やがて、どこか翳があるマックスに、アレックスは惹かれ、2人は付き合うように。アレックスは恋愛で苦い経験をしていたこと告白するも、マックスは決して自分の過去を語らず。一方で、アレックスと別の雇人チコの関係を疑うようになり…。
WOWOWの説明には“「ワイルドシングス」のM・ディロンが主演したラブサスペンス”とあったので、なんとなく「ワイルドシングス」的なものを期待してしまったのだが、ぶっちゃけエロもどんでん返しも「ワイルドシングス」に及ばない…ってか、マット・ディロンの代表作が「ワイルドシングス」でいいのか?って話でもある(笑)タイトル(邦題)の感じだと…リチャード・ギアとキム・ベイシンガーが共演した「愛という名の疑惑」をちょっと思い出したが、それともだいぶ違ったかな?近いといえばWOWOWで見たばかりの「ソフィーの選択」の恋愛ドラマ部分かななんて。
ギリシャの田舎町にやって来たヒロイン女性…水が苦手らしいのだが、なんとか渡し船に乗り、目的の孤島へたどり着く。そこには小さいながら、シャレオツなレストランがあって…その店の案内係として採用され、働くことになっていたのだ。しかし、トラブル続きで…指定された日時に到着が間に合わなかったらしい。対応に出てきたオーナーシェフのマット・ディロンは、予定をすっぽかした方が悪い、もう別の人を雇ったと非情な塩対応。ヒロインの女性はどうやらラテン系で気が強いみたいで…遅れた自分が悪いのを棚に上げ、スペイン語で激しい悪態をつく…。
そんなヒロインに涼しい顔をしながら、“案内係の仕事はないけど、接客係なら雇うよ”と…ディロン。一見ツンケンしてそうに見えて、実は…優しい系?興味ないそぶりをして、ちゃんと住む場所の世話してくれる。ヒロインの方は、どうやらそういうタイプに弱いみたい…自分の方からあからさまにアプローチしていく。他の店の従業員の中では“ゲイ疑惑”もあるほど…プライベートな部分ではミステリアスな部分が多いディロン。ヒロインの方も、実は“過去に痛い失恋”を経験し、今に至っており…今度こそちゃんとした男をGETしたいという気持ちも働いていた。
序盤はそんな2人の駆け引き、そして人目をはばからずイチャつくようになる中盤…そこから、ヒロインがディロンの秘密の過去に執着するようになり、ディロンはディロンで…ヒロインが他の男とイチャついてるのが許せないくらい嫉妬深くなる。ヒロインはディロンの店と契約し、店に客を運んでくる渡し船の船員のプレイボーイのにーちゃんと親しくなるんだけど、ディロンがいるので、一線は保ってる…ただのお友達、まぁ、相手は口説く気満々だけど。くっつく前は…クールだったのに、女と付き合うようになり、情緒不安定さが浮き彫りになるディロンとの三角関係。
後半はサスペンス度も高まるし…ディロンに隠されていた秘密なんかもちょっとずつ判明していくんだけど、会話の中で“ディロンが何をやったか”がわかるくらいで、思ったほどの深掘りはなかった。ヒロインが、情緒不安定で、何やらやべぇ過去を持ったディロンに対して…どういう答えを突き付けるのか?ヒロインは情熱的である反面、気性の粗さが隠しきれていなかったので…それこそオイラが引き合いに出した「ソフィーの選択」のメリル・ストリープほどの包容力はなく、自分の方が大事なんだろう。最後は緊張感もあるが、2時間越えの尺はちょっとダレる。
特に時代設定が出てこなかったので、“現代”の話なのかなと思ったら…途中で“ある歴史的な事件”の報道がテレビで流れて、その時代の話だったのかと…初めて理解した。そういえば、誰もスマホを持っていなかったな(だかた過去も隠せる?)。後半は、やたらとガラケーが小道具として使われるようになる。意図的に前半はわざと時代背景をボカす意味もあったのかな、あまり電話の描写ってなかったような気がするな。あくまで、そう感じただけで…ただの偶然の可能性もあるけど。ホント、尺が長いわりに…伏線とか投げっぱなしのところも多かったなぁ。
監督:フェルナンド・トルエバ
出演:マット・ディロン アイーダ・フォルチ フアン・パブロ・ウレゴ キカ・ジョージウー
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