パララックス・ビュー(1974年)
ひとつ前に、WOWOWで録った「ソフィーの選択」を鑑賞した影響で…なんとなくアラン・J・パクラ監督を攻めたくなった気分…エアチェックディスクを物色していたら、今から11年前、2013年9月に、やっぱりWOWOWで録画してあったものの、ぜんぜん見なかった「パララックス・ビュー」が出てきたので、この機会に鑑賞しておく。当時はWOWOWとTSUTAYA“発掘良品”のコラボ企画での放送だった…映画本編の前と後ろに、斎藤工と大槻ケンヂの対談形式の作品解説が入ってたよ…斎藤工はそんな変わってないけど、11年前のオーケン、若かったな。
シアトルにあるタワーの展望ルームで、次期大統領候補と目されるキャロル上院銀が銃で撃たれて死亡…犯人も逃亡の際にタワーから転落して死亡。その後、調査委員会は…犯人の単独犯という結論を出し、そのまま事件は忘れ去られてしまう。3年後…新聞記者のジョー・フレディは、知り合いの女性ジャーナリスト、リーから相談を受けた。実はキャロル上院議員の事件で現場に居合わせた関係者が次々に不慮の事故でなくなっており、次は自分の命が狙われていると…。最初は相手にしなかったジョーだが、実際にリーが殺され、事件を調べ始めると…。
パクラ監督作品でいうと、後の「ペリカン文書」にも近いような…いわゆる巻き込まれ型サスペンスってヤツですかね?冒頭、大統領候補の議員が銃撃によって暗殺されてしまう…現場はシアトルにあるタワーの展望ルームで、関係者と一部のマスコミしか入れなかった。ウォーレン・ベイティ扮する主人公の新聞記者も、その場所にもぐりこもうとしていたんだけど失敗…残念ながら、事件の目撃者にはなれなかった。それから3年、事件はすっかり風化してしまっていたんだけど…事件当時、現場に居合わせた同業の女性記者から…陰謀論めいた話を聞かされる。
それは…暗殺時に周りにいた20人の関係者、目撃者が次々に謎の死を遂げていて、その数は6人にものぼる。そして、女記者は次は自分の命が危ないと、怯えていた。ベイティは一笑に付し、相手にしなかったんだけど…その直後、本当に女性記者は死んでしまった。これは、マジでヤバいんじゃないか?そこで関係者の1人が死んだとされる田舎町を訪ね、事件を嗅ぎまわるんだけど…今度はベイティまで殺されかけ、その犯人を返り討ちにしたことで地元警察にも追われる。しかし、それらの事件も隠蔽され、とりあえず逮捕されることはなかったベイティ。
危ない橋を渡ったおかげで…手掛かりをつかみ、そこからさらに一連の事件の真相へと迫っていき、どうやら背後に謎の暗殺集団が暗躍しているのではないかという答えに行きあたる。再び危ない目にも遭い…世間的には死んだことになってしまったので、これ幸いと…身分を偽って、暗殺集団に接触、内部から真実を暴き出そうとするんだけど…。試験をパスして、暗殺集団の仲間入りをするんですよ…しかも、途中で、変な映像を見せられ、洗脳されそうになったり。一瞬、このままベイティも悪の手先になっちゃうのかと心配になったが、正気は保っているようだ。
ある一つの大きな陰謀を阻止したベイティ。さらに、次の陰謀も自分の手で食い止めようと奔走するが…。幾度となくベイティの身に、命の危険が迫るシーンが出てきて…“ここでくるな?”ってわかっちゃっても、ちゃんとスリルが伝わってくるよね。やっぱり印象に残るのは…先述もした、洗脳のシーンだろうか?うまく組織の一員として潜り込んだベイティが、変なコラージュ映像を延々と見させられるんだけど…そのシーンがあまりにも長い、同じメッセージや写真が何度も繰り返されるので、観客・視聴者であるこっちまで、なんだか頭が変になってくるのよね。
監督:アラン・J・パクラ
出演:ウォーレン・ベイティ ポーラ・プレンティス ウィリアム・ダニエルズ ヒューム・クローニン
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