こんにちは、母さん(2023年) | 勝手に映画紹介!?

こんにちは、母さん(2023年)

こんにちは、母さん

 

WOWOWでエアチェックしておいた「こんにちは、母さん」を鑑賞…「男はつらいよ」シリーズでお馴染み、御年92歳の山田洋次監督が2023年に発表した、現段階での最新作、主演は吉永小百合。寅さん以外の山田洋次作品は見たり、見なかったり…「家族はつらいよ」の1作目以降は、わりとちゃんと見てたんだけど、そういえばコロナで死んじゃった志村けんの代わりに沢田研二が主演を務めた1本前の監督作「キネマの神様」はまだ見てない…どこかに録画はしてあるはずだけど。円盤も出てるけど、ジャケ画像が載ってなかったので、配信版の画像を拝借。

 

大企業の人事部長として働く神崎昭夫、学生時代からの友人で、同期入社の木部富幸から…次の同窓会は屋形船を貸し切って盛大にやりたいという相談を受ける。下町出身の昭夫は、現在も実家で暮らしている母親・福江なら何か伝手があるかもしれないと、久しぶりに訪問。お互いに近況報告をしあうが、母の様子がどこかおかしい。実は昭夫の方も…妻とは別居中で、会社のリストラ人事に関り、神経をすり減らしていたのだ。後日、妻と暮らしている娘の舞の家出が発覚…舞が福江の家に転がり込んでるのではないかと考え、再び来訪するのだが…。

 

大企業で人事部部長を務める大泉洋は、同期入社で学生代からの友人でもあるクドカンと今でも付き合いがあるのだが…そのクドカンに、リストラの噂が!案の定、その噂は本当で…大泉洋も本当は知っていたんだけれども、企業人として、決して本人に打ち明けることはできなかった。そのせいで…友情にヒビが!クビを宣告されても、会社に居座ろうとするクドカンは、社内で問題ばかり起こして、大泉洋にもそのしわ寄せがいく!そんな大泉洋は、プライベートでも悩みを抱えていて、娘の反抗期、家出…そして妻との別居。そんな状況で久しぶりに実家へ帰る。

 

母親の吉永小百合は亡き夫と共に、下町で足袋屋を営んできて…今でも店を守り続けている。最初こそ、小百合に問題ないアピールとかしちゃうんだけど…家出した娘・永野芽郁が、自分の実家に転がり込んでいるということに気づき、それまではだいぶ疎遠になっていたのに、以降、やたら足しげく実家に顔を出すようになる。そうすると、今まで隠していた嫁との別居の件もろもろが…小百合にも筒抜けになってしまう。っていうか、トラブルメーカーのクドカン…なぜか実家まで押しかけてきて、自分の苦境を小百合にベラベラと喋り始める、マジでウザイ奴。

 

人がいい小百合は…息子・大泉洋に“なんとかならないの?”なんて安易に言うもんだから、大泉洋は“余計なこと言うな”とブチきれるわけですよ。そんでもって、売り言葉に買い言葉で、大泉洋の方も…小百合がプライベートで心血を注いでいるボランティア活動を貶しちゃったりして、やたら空気が悪くなる。っていうか…全部クドカンのせいやろ!一方の小百合は…一緒にボランティア活動をしているオッサン神父の寺尾聡にマジ惚れしている様子。娘・永野芽郁から、自分の母親・小百合の恋バナを聞かされ動揺が隠せない大泉洋…不安材料がまた増えた!

 

マジか…小百合がボランティアに打ち込んでいたのは、男のためだったのか。オイラは結婚もしてなければ、子供もいないんだけど…ちょうど、親子の年齢差が、劇中の小百合と大泉洋と同じくらいだ(ウチのオカンも小百合と同い年くらいだし)。確かに…自分のオカンががって考えると、息子だったら頭を抱えたくなるな。意外と、劇中の親子関係、親子のドラマに関しては…共感できる部分もあったりしたんだけど、個々の安っぽい言動を見ていると、ちょっとイラついたりもするのよ。いや、これって、やってることは「男はつらいよ」と変わらない…いつもの山田映画。

 

クドカンがそこらじゅうでトラブルを振りまく姿だったり、大泉洋が皮肉交じりに愚痴をこぼす姿だったり…はたまた小百合が年甲斐もなく異性に恋して空回りする姿は、全部、「男はつらいよ」で見てきたシュチエーションばかり…寅さんの性格、設定を他のキャラに配分しただけ。そうなんだよ、あれはやっぱり昭和の人情喜劇であり、渥美清演じる車寅次郎というキャラクター性があったからこそ笑って許せたんだけども、現代を舞台に、他の役者が演じる他のキャラクターが同じことをすると、ただの空気が読めない、非常識な人にしか見えないんだよなと思った。

 

ワンチャン…母親役が倍賞千恵子、息子役が吉岡秀隆だったら…寅さんの延長として楽しめたかもしれない。って、それじゃ…「男はつらいよ お帰り 寅さん」と一緒か(笑)でも、まぁ…ツッコミ満載の昨今の吉永小百合映画としては、まともな方だと、以前、評論家の柳下毅一郎さんが仰っていて、それは激しく同意する。そういえば「いのちの停車場」で“小百合の父親”を演じていた実年齢タメの田中泯が本作でも共演…どうせなら、恋の相手も寺尾聡じゃなくて、田中泯にすれば面白かったのに…“前は親子で、今度は恋人かよ”って、ツッコミを入れたかった。

 

明らかにセクハラ、パワハラ被害者にしか見えない、大泉洋の会社の部下をやってる女の子が可愛いなと思ったら…加藤ローサだった。オイラ的には、ちょっと懐いって思ったんだけど、また最近…活動してるらしく、Wikiを見ると、映画やドラマの出演タイトルがいくつか書かれていた。あと、エンドロールで声優の名塚佳織の名前を見つけて驚く…どこに出てた?でも、直ぐにピンときた…そういえば、全然顔を出さない大泉洋の嫁が電話で喋るシーンがあった。それが正解だったんだけど、ググって調べたら、公開時にネットニュースでちゃんと話題になっていた

 

 

監督:山田洋次

出演:吉永小百合 大泉洋 永野芽郁 YOU 枝元萌 宮藤官九郎 加藤ローサ 田中泯 寺尾聰

 

 

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