ブルービートル(2023年)
WOWOWでエアチェックしておいた「ブルービートル」を鑑賞…DCコミック原作のアメコミ映画ながら、日本ではソフトスルー、配信スルーになってしまった作品。Wikipediaなんかで確認すると、一応…“DCエクステンデッド・ユニバース”の一つと数えられてるらしいんだけど、あからさまに他のヒーロー、他の物語が関わってくるような演出はなかったと思う(そこまでアメコミ映画に詳しくないので、オイラが知らないネタがあるのかもしれないけど)。アメリカ、メキシコの合作…メインキャストもラテン系の人が多いので、他のDC作品よりもやたら陽気なノリだったな。
大学を卒業し、故郷の“パルメラ・シティ”に帰ってきたハイメ・レイエス…一族初の大学卒業者ということで、家族全員が温かく迎え入れるのだが、その反面…なんと自宅が立ち退きの危機に瀕しているというのを知らされる。さらに父親は心臓病を患い、職も失っていた。ピンチのハイメは、偶然知り合ったコード社CEOの姪ジェニーから仕事を紹介してもらうことになるが、彼女から託されたのは謎の荷物!中には古代遺物“スカラベ”が入っていて…スカラベと共同宿主になってしまったハイメは、成り行きでスーパーヒーロー“ブルービートル”に変身してしまう!
スーザン・サランドン演じる女帝(笑)がCEOを務める大企業が、やたらと幅を利かせている架空の街が舞台…その大企業は軍需産業にも力を入れていて、パワードスーツ的な兵器の開発に力を注いでいる。そして、その兵器を完成形に近づけるには…“スカラベ”と呼ばれる古代遺物が重要になるらしく、サランドンたちは遂にその古代遺物を入手!しかし、サランドンの姪というのが…企業内の穏健派でして、兵器開発について真っ向から異を唱える。なんとか開発を食い止めるべく…古代遺物の存在も認識してて、それをこっそり盗もうという計画を立てる。
そのお家騒動に巻き込まれたのが主人公のラテン系青年…大学を卒業して故郷に帰ってきたばかりだが、もともと実家がそこまで裕福な家庭ではなかったんだけど、立ち退きを迫る大企業(前述のサランドンの会社)のせいで、なんとかいい職を得たいと、仕事探しをしている時に…CEOの姪を偶然出会う。その関係で、CEOの姪が盗んだ古代遺物を託されることになったが…預かる時に“箱を開けちゃ駄目”って言われてたのに、父親以下、悪ノリした家族全員にはやし立てられるように中身を触ってしまい、結果…主人公は古代遺物に寄生されることになる。
不本意でスーパーヒーロー“ブルービートル”になってしまった主人公は、それを悪用しようとする大企業と正面衝突する羽目に!マーベルの方のスパイダーマンと、アイアンマンを足したようなビジュアル、ついでに古代遺物“スカラベ”はカブトボーグ(笑)にも見えたりするんだけど…ヒーロー誕生の瞬間から、両親、祖母、妹、おじさん…家族全員に正体がバレるというのがなかなか新鮮であった。まぁ、そのせいで主人公も他の家族も大企業との争いにドップリとつかってしまうし、思わぬ悲劇にも直面するのだが…家族で一致団結して、それらを乗り越えていく。
ヒーローに覚醒すると、意外とチートレベルの強さなんだけれども、主人公の性格などが影響して、制御が掛かってしまうことで…しっかりと物語に起伏を与えていた。先代ヒーローがいた設定もあり、まるでバットケイブのような秘密基地や戦闘メカも出てくる。メカのデザインは…「バットマン」と比べると、若干ダサ目だったけどね(笑)登場人物もみんな魅力的だったし…思いのほか、単発でしっかりと楽しめるアメコミ映画になっていた。まだ謎の部分も多く残っており、続編を意識した思わせぶりな演出もある…ぜひ、ちゃんと続編を展開してほしいと思うが…。
監督:アンヘル・マヌエル・ソト
出演:ショロ・マリデュエニャ ブルーナ・マルケジーニ ジョージ・ロペス スーザン・サランドン
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