俺ら東京さ行ぐだ(1985年) | 勝手に映画紹介!?

俺ら東京さ行ぐだ(1985年)


俺ら東京さ行ぐだ [VHS]

 

無料のBSチャンネル“BS松竹東急”で…新春ゴールデンシアターと銘打たれて放送された「俺ら東京さ行ぐだ」をエアチェックしておいたので、さっそく鑑賞する。タイトルを見てわかる通り…“テレビも無ェ ラジオも無ェ~♪”でお馴染み吉幾三のあの曲をモチーフにして作られた人情喜劇、吉幾三も本人役とタクシー運転手役の1人2役で出演。カメラマンを目指し、田舎から出てきて、東京で暮らす主人公青年の元へ…両親が訪ねてくる(ってだけの)話なんだけど…主人公の父親を植木等が演じており、代わる代わる登場する脇役も、意外と豪華で楽しい…。

 

カメラマンになるため、上京し写真スタジオで働いている野々宮元のもとに、父親の耕造から手紙が届く。仕事で、議員会館へ陳情に訪れるのを利用し、妻のあやを伴って、会いに来るというのだ…。しかし、職場で新人の元は、なかなか自由な時間が作れず、上野駅に迎えに行くこともできなかった!ようやく宿泊先のホテルで再会を果たしたのもつかの間…食事の誘いも断って、帰ってしまう元。その翌日、元が暮らすアパートで、夕食を作って、帰りを待っていたのだが…なかなか帰ってこない。ようやく帰って来た元に、耕造は田舎に戻って来いと諭すのだが…。

 

“俺ら東京さ行ぐだ”ってタイトルだけど…主人公は、既に東京で暮らしてるがな。かといって、植木等演じる父親目線の言葉ってわけでもないしなぁ(お母ちゃんは東京になれずに、とにかくたまげてばかりで、それを見て父ちゃんが顔をしかめると)…実際は東京に出たいって話ではなく、田舎に戻りたくないって話やったね。まぁ、そんなこまかいことは横に置いておいて…主人公の妹、植木等の娘を演じてるのが、若い頃の松居直美で、田舎の女子大生が抜群に似合い、けっこう可愛い。しかしホントのヒロイン、柏原芳恵が出てくるとすっかり存在を忘れる(笑)

 

昭和のガンコ親父が“息子の嫁にしたい”って思うような…理想的なヒロインで、本当に可憐なんだ。しかし、一応は主人公のガールフレンドで、たまにイチャイチャしたりする場面もあるんだけど、それ以上に艶っぽい展開があるわけでもないので、ドラマとしては非常に物足りないという。この時代のラブコメでももうちょっと何かあっていいだろ?また、出てきた時から“体調が優れない”と…頻繁にトイレに駆け込むお母ちゃん、途中、甘えたいのに甘えられない息子の不愛想な態度などもあり、これは“フラグやろ?”と思ってたが…別に病気でもなんでもなかった。

 

父親も母親も…予定の日程をこなして、ピンピンして田舎に帰っていったよ(笑)息子と再会する前は、“無理やりにでも連れ戻して、田舎のリンゴ園を継がせるんだ!”と息巻いていた父親も…息子の職場を訪れ、フィルム交換なんていう雑用仕事をやらされている姿を遠くから見守って、あっさり東京暮らしを認めちゃうし(一応、一度だけ喧嘩をするシーンがあるけど、そこまで尾は引いていない)…そういうところが想像してたよりもさっぱり気味だったんだけど…なんだろう、やっぱり80年代の空気感を味わってるだけで、妙に安心するというかなんというか…。

 

植木等が、今でいう“ゲイの人”を、珍獣でも見たように大爆笑するなど、令和では完全にアウトな時代を感じさせるギャグなんかにも、若干懐かしさを覚えるのだった。両親が東京見物をしている際に、有楽町マリオンの時計の横にかかってる映画の看板が映り込む…「プロテクター」「ビルマの竪琴」「007/美しき獲物たち」「ポリスアカデミー2 全員出動!」「刑事ジョン・ブック 目撃者」「銀河鉄道の夜」、なるほどこの映画も同じ時代の作品なんだなって、伝わってくるのがなんかいいんだよな。未DVD化、未配信の作品を、ノーカット、初HD放送、ありがたや!

 

 

監督:栗山富夫

出演: 新藤栄作 柏原芳恵 植木等 林美智子 松居直美 山谷初男 森次晃嗣 三谷昇 吉幾三 中村嘉津雄

 

 

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VHS 俺ら東京さ行ぐだ

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