64<シックス・フォー>~陰謀のコード~(2023年) | 勝手に映画紹介!?

64<シックス・フォー>~陰謀のコード~(2023年)

 

元旦早々、大変な出来事があり、正月気分が吹き飛んだ人も多いことだろう…ウチは発生から1時間くらい経ってからあの惨状を知った。それまで、オカンが大晦日に録画した“紅白”を見てまして、たまたま“夕飯の支度するから止めておいて”って頼まれて、停止ボタンを押した時に…NHKのニュース映像、警報のテロップなどが目に飛び込んできて、一瞬、情報が頭に入ってこなかったもんな。オカンが、“そういえば4時過ぎに揺れたかも?”なんて言ってたけど…いつもはけっこう地震に敏感なオイラはまったく気づかなかったんだよね(正月で酔ってたか?)。

 

あまり影響がなかった関東人からすると…ニュース映像を見てるだけで、“正月をまったり過ごしてていいのだろうか?”と申し訳ない気分にもなるが、変に偽善めいた言葉をかけたりするよりも、こういう時は平常運転を心掛けた方がいいのだろうと…気分を切り替えることに努める。そんなわけで元旦にWOWOWでエアチェックした海外ドラマの一挙放送、「64<シックス・フォー>~陰謀のコード~」を見ようとしたら…ちょっと待って、全4話なのに3つしか録れてねぇ!どうやら第1話の予約をし忘れたみたい(汗)仕方がないのでアーカイヴ配信を併用して全話鑑賞。

 

グラスゴーの警察官クリスと妻のミシェルは遺体安置室にいた…実は娘のオリヴィアが3週間前から行方不明で、同じ年恰好の遺体の身元確認にやって来ていたのだ。幸い、オリヴィアとは別人だったものの…元潜入捜査官だったミシェルは、オリヴィアを捜すため、クリスの静止を無視し、1人でロンドンへ向かう。一方、クリスは…女性記者サマンサから16年前に起きた未解決の少女誘拐事件について質問される。詳細を、当時の捜査担当者だった実兄フィリップに問うクリスは、その反応に疑惑を覚える。そこで、被害者の父親ジムに会いに行くことに…。

 

日本でも「64 ロクヨン」のタイトルでドラマ化、劇場映画化されている横山秀夫の警察小説を、イギリスでドラマ化したものなんだけど、そもそもタイトルの“64”って、たった1週間しかなかった(昭和天皇が亡くなったため)昭和64年という意味が大きかったのに、どうやってイギリスの文化に当てはめるのだろうと…そこに一番興味があったんだよ。オイラは原作は読んでないんだけどピエール瀧が主人公を演じたNHK版と、佐藤浩市が主人公を演じた劇場版(前編後編)を両方とも鑑賞…特にNHK版は、特異な昭和64年の空気感が印象に残ってる作品だ。

 

さて、今回のイギリス版…まずは主人公刑事とその嫁が、家出中の娘かもしれない遺体と対面するという展開から始まる。これは原作により忠実と聞いているNHK版と一緒だなと思った。主人公もぽっちゃり、がっちり体系の役者さんで…佐藤浩市よりもピエール瀧の雰囲気に似てるかなと。この男性刑事が、娘の家出というプライベートな問題を抱えながら、過去の未解決事件が絡んだ、新たな誘拐事件の真相に迫るという…大まかな部分は、確かに日本のドラマなり、映画なりと一緒だったんだけど、あたりまえだけどネタの割愛やアレンジもけっこう目立つ。

 

日本のドラマも映画も…主人公が警察関係者だけど、広報担当という仕事をしているというのが、他の作品と一線を画す斬新さでもあったはずなんだけど、イギリス版だと…普通に捜査も担当できる刑事になってるのよね。だから、物語の中で、マスコミとの付き合い方なんかも描かれているんだけど…イギリス版だと、広報が警察組織とマスコミの板挟みにあって苦悩する姿、情報を使った駆け引き、攻防みたいなのがサラっと描かれ過ぎている。っていうか、事件をかぎまわる女記者と主人公が過去に不倫関係だった設定なんて…日本版にはなかったはずだ。

 

実は、このあたりが娘の家出にも関わっていて、不倫がバレて、主人公と嫁の夫婦関係もこじれ、それが娘の家出の原因なんだけれども…さらにこの嫁にもとんでもない秘密があった。日本版でも、嫁が元警察関係者という設定で…事件捜査に関わるような展開もあったはずなんだけど、イギリス版の嫁は、旦那と出会う前は潜入捜査官だったとか言って…第1話冒頭で、“確認した遺体が娘とは別人だった”と判明した後に…いきなり旦那の前から姿をくらませ、変装とかして、どこかへ行ってしまう。そして独自に娘探しをするんだけど、めっちゃ強いねん(笑)

 

あと…主人公が、警察組織の派閥だったり、上下関係にもがき苦しむというのが「64 ロクヨン」の見せ場の一つだったはずなだけど、イギリス版は…上司である本部長が実の兄という設定で、兄弟の確執みたいなものも入っている。娘、嫁、兄と…家族のドラマがより濃厚な感じ、しかもけっこうドロドロなところはイギリスドラマらしいなと思ったところ。あとは“64”が…過去の事件に深く関わる、なんらかのコードネームって扱いになって、MI5がどうたらこうたらとスパイものっぽい雰囲気もあり、政治的な背景が絡んでくる。そして、サラっとLGBTネタをぶっこんだり。

 

日本版との違いを楽しむという点では…これらのネタがどうやって着地するんだろうと、興味深く見れるんだけれども、日本版…特に、オイラからすると一番最初に見たNHKの連ドラ版と比べてしまうと、全体的にあっさりしすぎ、緊張感が足らず、物足りないなという印象。はたして「64 ロクヨン」の原作を借りる意味があったのかな?とは感じたよね。でも、まぁ…イギリスのミステリードラマとしては、それなりの重厚さもあって、決してつまらなくはなかったですけどね。一応、録画は残しておくつもり、録り逃した第1話は2月に予定されているリピートで再チャレンジ!
 

 

監督:ベン・A・ウィリアムズ 

出演:ケヴィン・マクキッド ヴィネット・ロビンソン ジェームズ・コスモ リチャード・コイル アンドリュー・ウィップ

 

 

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