22年目の告白-私が殺人犯です-(2017年) | 勝手に映画紹介!?

22年目の告白-私が殺人犯です-(2017年)

22年目の告白-私が殺人犯です-

【鑑賞日:2017年5月30日】

今年の初めに長年愛用したガラケーからガラホ(スマホじゃない)に交換しまして、その際に…auスマートパスにも加入。これで、いままで応募できなかった“auスマートパス会員向けの試写会に応募できる!”と思って、せっせと応募しまくってたんですけど、なかなか当たらなかった(試写会以外のプレゼントは当たったことがあるけど)。でもね、ようやく試写状がきたーー!しかも、会場が家の近所のシネプレックス!ということで行ってきました…6月10日公開予定、藤原竜也、伊藤英明共演の「22年目の告白-私が殺人犯です-」を一足お先に鑑賞です。

阪神・淡路大震災が起きた頃、ちょうど東京では同一犯による連続絞殺事件が発生し、世間を震撼させていた。この事件を担当していた刑事の一人、牧村航は犯人逮捕まであと一歩のところまで迫るが、犯人の激しい抵抗に遭い、取り逃がしてしまう。それが原因で牧村本人が犯人に狙われるようになり、尊敬する上司が命を落とす羽目に…。それから22年、絞殺事件は時効を迎えてしまったのだが、その直後…犯人を名乗る男、曾根崎雅人が告白本を出版!本人もマスコミの前で顔をさらし、たちまち話題を集めていくのだが…事件関係者は憤りを隠せず…。

小説版もあるらしいですが、そちらは未読。あくまで映画を見ただけの感想を語っていきたいと思いますが…やっぱり公開前のミステリー映画ですので、なるべくネタバレは避けるつもりです。そうですね、映画を見ている最中に…実際の事件や類似の映画、小説などを色々と思い浮かべたりもしたので、そのあたりを引き合いに出しながら、語って行こうかなと。まぁ、基本ストーリーの“殺人犯の告白”といえば…誰もが思い浮かべるのが、昨年、話題になった“神戸連続児童殺傷事件”の犯人・酒鬼薔薇聖斗こと元少年Aの手記「絶歌」の一連の騒動だよね。

この映画や小説の企画とどっちが先だったのかは知りませんが…明らかに影響は受けているはず。さすがにストレートに真似したともいえないので、神戸の事件を連想させる一つのキーとして、年代の近さや、同じ地名が印象に残る“阪神・淡路大震災”なんてものが題材になっているのではないだろうかとも推測できる。そのあたりが…凶悪事件の時効撤廃となった刑事訴訟法の改正とうまく絡み合って本作のストーリーは進んでいくんだけど…自分はちょっと前に読んだベテラン作家・森詠の「彷徨う警官」のストーリーにも似てるなぁって思ったんだよね。

「彷徨う警官」は…高校時代に恋人を殺されてしまった男が、後に警官になり、時効が成立してしまった事件を執念で解決するという話だったんだけど…映画を最後まで見ると、すごくよく似ている。あとは、現代社会への皮肉や警鐘も色々と盛り込まれているんだけど、“犯罪者を告白した人間が、まるでアイドルか何かのように”…もてはやされていく様を見ていて、“地下鉄サリン事件”が起きた後に、オウム真理教の上祐史浩の容姿に惹かれた追っかけギャルが続出したのを思い出す。そういえばサリン事件と阪神・淡路大震災は同じ年、22年目ですなぁ。

被害者遺族の感情、司法の限界や矛盾というのも解りやすく描かれているテーマの一つだけど…これはちょっと、フジテレビでシーズン1が終了したばかり(続きのシーズン2はWOWOWでまもなく放送開始)のドラマ「犯罪症候群」なんかとも共通するかなって感じたよね。やっぱりドラマしか見てないけど「犯罪症候群」もやたら重たくて、後味が悪い作品で…シーズン2の予告を見る限りだと、それがもっと加速しそうな気配だけどね。本作もそんなに後味がよろしい作品ではないものの、最後のアレは、観客がどこかで望んでいた結末だったのでは?

凶悪事件とマスメディアの関係性なんていうのは洋画の「ゴーンガール」、邦画だと宮部みゆき原作の「模倣犯」あたりとも雰囲気が重なるぶぶんがあったかな?途中で、ものすごいどんでん返しなんかもあるんですけど、ミステリー慣れしてる人だと、なんとなく予想はでき、その後の展開(真相)も読めるかもしれない。そのどんでん返しが、けっこうなキモで…真面目に見ちゃうと、ズッコケな感じなんだけど…そこは藤原竜也お得意の演劇調な大味な芝居、そして入江悠のハッタリが効いたメリハリのある演出が相まって、ちゃんとエンタメとしてまとまっている印象。

どちらかというと筋肉バカっぽい役柄が多い伊藤英明なんかも…現在シーンと過去シーンをうまく演じ分けており(過去シーンではいつもの暑苦しい熱血系)、特に現在シーンでの中年刑事の役は、あの短髪姿が「太陽を盗んだ男」の菅原文太、山下警部のような貫禄でなかなか渋い。まるで本物のニュースキャスターのような振る舞いだった仲村トオルも…今までになく“いろいろな面”を見せてくれるので注目。このメインキャスト3人のアンサンブルがこの映画の一番の見どころですかね?痛々しい描写も多めですが、特にPGやR指定の類はなかったです。


監督:入江悠
出演:藤原竜也 伊藤英明 夏帆 野村周平 石橋杏奈 竜星涼 早乙女太一 岩城滉一 仲村トオル


【ムビチケは公開日前日まで!】
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