富江 最終章 禁断の果実(2002年) | 勝手に映画紹介!?

富江 最終章 禁断の果実(2002年)

富江 最終章-禁断の果実- デラックス版

WOWOWでエアチェックした富江シリーズ一挙放送の消化もようやく最後…シリーズ4作目の「富江 最終章-禁断の果実-」を鑑賞。前作までと、最終章と謳いながら、その後も増殖した「BEGINNING」「REVENGE」「VS富江」は過去に鑑賞経験があったんだけれども…本作は今まで見逃してたんだよなぁ(もう1本、井口昇監督の「アンリミテッド」も見てない)。富江に翻弄されるヒロインに今ではすっかり大物になっている宮崎あおい…そして肝心の富江役には「さくや妖怪伝」の安藤希…オイラは「ガメラ3」の時から注目してたが、最近見かけなくなったな?

女子高生の橋本登美恵は、学校ではイジメを受けていた。そんな彼女の前に突然現れたのが…富江という美少女だった。同じ“トミエ”という名前でありながら、根暗な自分とは対照的な、明るく、闊達な富江に魅了されていく登美恵。ある日、自分の家に富江を招いた登美恵だったが、父親の和彦が富江と顔を合わせて以来、なんだか様子がおかしくなる。実は富江は、25年前に死んだはずの和彦の初恋の相手だったのだ!登美恵に内緒で、こっそりと外で会う二人、最初は富江の話を信用しなかった和彦だが、富江が正真正銘の本人だとわかると…。

菅野美穂とまではいかないものの…宝生舞や酒井美紀よりは妖艶さをしっかり携えているなぁって印象を受ける安藤希の富江は、個人的には及第点。対する、翻弄されるヒロインを演じる宮崎あおいだが…やけに虐められっぷりが板についているというか(笑)、ファーストシーンのブスっぷりはなかなかである。昔は、こんなにブサイクだったけって本当に思っちゃったんだけれども…ある程度は、演技やメイクなんかもあったようで、富江と出会うことにより、ちょっとずつ洗練され、可愛くなっていくんだけれども、それがまたイジメの原因になったりという皮肉も。

出会ったばかりの富江と登美恵の関係が、やけに百合っぽいんだけれども、監督が「櫻の園」の中原俊だということで、なるほとど納得であろう。今回、シリーズを順番に見直してきて、それぞれの作品を担当した監督が、もはやジャンルと化していた富江という作品の世界観を使って、自分の得意分野を描いているんだなぁっていうのを改めて実感したわけで…その辺を理解できてくると、「富江」っぽくないからつまらないという、昔の感想とはまた別のものになったわけで、初観賞の本作も…意外性が色々と感じられて、けっこう面白かったですよ。

で、宮崎あおい扮するヒロインも富江に翻弄されるんだけれども、その父親が一緒になって、富江に狂わされていくというのが、物語に奥行きを出してまして…富江が実は初恋の相手。自分が昔好きだった女の子が、当時の容姿まんまで目の前に現れるという…嬉しいけど、実際にそんなことが起きたら怖いなっていう恐怖を描いているところがいいんですよね。清水崇監督の「富江 re-birth」」でも一部で、嫁姑バトルみたいになってたけどさ…今回は「コキーユ 貝殻」あたりの中年純愛映画も得意な中原俊らしい作風だよなぁって思ったわけです。

ただ、生々しいスプラッター描写もブチ込んできた清水崇監督の前作と比べてしまうと、ホラー映画として、ビジュアル的な怖さはちょっと負けてしまってるかなと。狂った父親、國村準が、娘を虐めていた不良たちを金属バットで撃退する(別に娘を守るためではなく、家に不法侵入され、彼女たちが会いに来たと言っている“登美恵”と“富江”を間違っただけなんだけど)とか面白い展開もあるんだけどね。あと、そんな父親が勤めている製氷所を使ったあの展開を見ていて、なんとなくブルース・リーの「ドラゴン危機一髪」を思い出してしまったのは自分だけだろうか?


監督:中原俊
出演:安藤希 宮崎あおい 國村隼 藤本由佳 二宮綾香 太田千晶 渡辺哲


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