悪夢のエレベーター(2009年) | 勝手に映画紹介!?

悪夢のエレベーター(2009年)


勝手に映画紹介!?-悪夢のエレベーター

WOWOWでエアチェックしておいた「悪夢のエレベーター 」を鑑賞…俳優、構成作家として活躍する堀部圭亮が映画監督に挑戦した、サスペンス。同名タイトルの小説が原作らしいが、そちらは未読。前にTVの単発ドラマでも映像化されているけど、それも見ていない。ありがちなエレベーターパニックものと思い込ませておいて、実は…というようなどんでん返しがよういされているんだけど…感想を語ると、どんなことをしてもネタバレになりそうなので、これから鑑賞予定の方(または原作を読もうとしている方など)はご注意ください。

エレベーターの中で目を覚ました小川順…自分は妻の出産に立ち会うため、帰りを急いでいたはずなのだが、乗ったエレベーターが途中で事故を起こしたらしく、気絶してしまったらしい。気がついたら中に閉じ込められ、外部との連絡もできなくなっていた!乗り合わせたのはチンピラ風のガラの悪い男と、ジャージ姿の男。それと不気味なゴスロリ少女。みんなどこか訳あり風で、互いの正体を探り合うのだが、そのうちにジャージ姿の男が、自分は超能力者だと名乗り出て、他人の秘密を見抜けると言いだした!

エレベーターを題材にしたパニックサスペンスなんて新鮮味はなく、邦画でもジョビジョバのマギーが監督した「ショコキ!」とか、ショーケンが主演した「ダブルス」なんかを思い出し、出だしこそキャラクターを変えただけの二番煎じじゃねーかと思っていたんだけど、実はそこから先がこの物語の本番だったという感じの展開になっていく…。まぁ、この状況が仕組まれたものだったというのが、第一のどんでん返しであり…なぜそうなったのかという経緯を、時間をさかのぼって描くことになる。

で、なんで、彼らはエレベーターに居合わせたのかがわかった後に、また新たなトラブルが勃発し、それを解決しようと四苦八苦するんだけれども、さらにトラブルが雪だるま式に重なっていくというドタバタ劇が繰り広げられていく。前半はコミカルな要素も多いんだけれども…“悪夢”と銘打っているだけあって、ブラックな面がどんどん顔をのぞかす。ヒントが提示されているので(意味深な映像)、オチは早い段階で見破れた。それこそ、ミステリー好きを意識したようなベタなセリフや伏線って、ちょっとわざとらしくも感じたけど、安易なハッピーエンドに逃げないスタイルには好感。

また、何気に残酷描写がきちんと描かれており、某人物の顔がつぶされるところなど、かなり悪趣味なビジュアルを作りこんでいる。それまでは、大したことないなぁ~って思ってみてたんだけど、その映像を見てから、こちらも作品にちゃんと向き直ったかな。それこそ、途中まではTVドラマみたいな安っぽさだったけど、グンっと映画っぽくなった。そのインパクトの強い残酷描写だけど、エンディングロールを見たら、特殊メイクで「東京残酷警察」の西村喜廣が参加していたから納得、作り手が、そっち系の嗜好の持ち主の事もちゃんと考えている証拠だな。俳優の初監督作品としては、奇抜な演出に走らず、脚本や役者の芝居を上手に活かして丁寧に見せていたと思いますよ。


監督:堀部圭亮
出演:内野聖陽 佐津川愛美 モト冬樹 斎藤工 大堀こういち 芦名星 本上まなみ


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