おととしのアカデミー賞で、国際長編映画賞を受賞している本作。
主演は007で敵役を演じ名声をあげたマッツ・ミケルセン
『血中アルコール濃度を0.05%に保つと人は調子がいいらしい』
(飲酒運転になるのは0.03%から)
という説を実証する、4人の冴えない教師のおじさん達が描かれる。
はじめこそ授業がより円滑に楽しく進み始め、おじさん達は自信を取り戻し始めるのだが、予想通り飲酒には歯止めが利かない。徐々にヒートアップしていってしまうという展開はそのまま起きた。
美しい映画には、余計な言葉はない。
無音のなかに静かに流れる主人公の悲しみや喜びの描写は、素直にとても美しく思った。
物語の舞台であり、映画の製作地でもあるデンマークは
お酒を買える年齢は決まっているものの、飲める年齢は決まっていないらしい。
だからこそ作られた飲酒の是非を問う物語だった。
しかし製作途中に監督の娘さんが交通事故死したことにより、
物語をより「人生」にフォーカスを当てるよう変えたらしい。
人生には谷あり山あり。アルコールは一部にすぎないが大きな影響をもたらす。
ラストシーンはあんまり好きじゃないけど。
お国柄がよく描写された映画でもあるのではないか。
テーマとして興味深いものを観た。