昨年公開され、海外の映画祭で日本代表として取り上げられていた映画「PLAN75」

星新一の世界みたいな話だなぁと予告を見ながら思っていましたが、より映画らしい内容になっていました。

 

超高齢化社会で若者が高齢者を支え切れなくなった時代

75歳以上には自ら死を選ぶ権利を認める、という法案が可決されます。

俗にいう安楽死制度を高齢者に適用したかたち。

 

本作では、単にそうした制度ができ人が死を選ぶという事実だけではない部分を、辛辣にリアルに描いています。関連で働くひとびと、闇、気づき。かなり不気味。

 

以前、海外の人たちと話していて

日本のように高齢化と少子化が両方進み続けている国は実は珍しいのだという事を初めて知りました。医療技術の進歩もそうですが、日本の医療制度は実に手厚い。お年寄りや弱者に優しい社会であるがゆえに、世界でもまだ日本の先をいってしまっている国は殆どありません。

 

ゆえにこの映画を見て、明日は我が身と思った国はあまりないのではと思います。

こんな設定をリアルに感じた人たちは日本人だけではないかとすら。

 

この映画が伝えたかったメッセージは、日本の現状を重く受け止めているひとには痛烈に突き刺さるものになっていると感じました。

20年後、日本はどうなってしまっているのでしょうか。

若者はどんどん減ってきていて、高齢者はどんどん増えていて。。

PLAN75が非現実的に思えないのが何とも悲しいところです。

 

追記

主演の千恵子さん、日本アカデミー賞の主演女優賞のセレモニーでお目にかかれました。「男はつらいよ」にお出になられて一世を風靡した方と分かってもうびっくり!アンソニーホプキンスさんも凄かったですが、日本にもこんなカッコいい名俳優さんがいらっしゃるとは。本作を見たばかりだったので、セレモニーを見ていて感動しておりました。なにか他の作品も見てみようと思います。