鑑賞日時:2022.1.1  21:00-


演技でもなんでも
初対面の男性をあんな風に誘えたり
飲みかけのハイボールを渡して
自分はすぐさま未開封の方を飲み出したり
誠実な人はできないと思う

そんなチャラい女を否定するつもりは
少しもないしそういう人は
どういう結末になるかをよく知っている

演劇見に行かない?から
初めてのデートをして
初めてのセックスをした日
中華料理屋さんで「眠いから帰る」
じゃなくて「眠いから一旦出よう」
というあたり

少しも帰りたい気持ちがなくて
こんなふうに好きって伝えるのって
すっごく素敵だなと思った

今思えばあの時の「押していいの?」
は全ての始まりだったのかも




(僕のベストがBTTFの衣装にしか見えんかった)
↓これ



そこからは季節を目眩く通り過ぎていき
ふたりの思い出だけが積まれていった
綺麗すぎてゆらゆら
そのうち崩れそうな積まれ方だった

噴水の前で走り回ったり
着物の帯に彼の袖のネイビーの色を
当ててみて「ネイビー映えるね」
なんて言われたり
まさに無限デート

この人となら何しても楽しいって
思えるように見えた
その最中「いつかは終わるよ」と
「今度はでっかい打ち上げ花火
 見に行こうね」を同時に伝えられて
考えないようにしていた、いつかわからない
終わりの存在を実感してしまう

社会人になった僕たちは
生活する環境が変わってもお互いを思う気持ちは変わらないように見えた

ふたりも知らなかった
いつかわからない終わりが来た日

その日のデートは誰が見ても最高なデートだった
まるで初めてのデートのようにめかしこんで
普段より上質な空間で
相手の顔を見るだけで自然とキスをしたくなるような本当に夢のような時間
でも「好きだよ」の返事が「ありがとう」と
いうことは心に濁りがあるときだ

心から相手のことを思っていて
愛していてもそういう時はある
終わりが来たと気づいたのは彼女だった
なぜなら終わりを決めるのは
彼女の他にいなかったから




一度も彼女側の視点から見させてくれなかった
彼女は本当は僕のことだけを愛していて
一緒になりたいと思っていたのか

二人の男を愛すことができるいくつも愛を持っている人間なのか(私には理解できない)
でもきっと横顔が似てたなんて
理由で近づいてきたから
代理として扱われているんだろう
グロテスクすぎる!

自分のことが一番好きだと
思うようなきっかけがあっても
自分の横顔を見るたびに一瞬で
浅はかな考えとなって消えていくんだろう

『僕』はすごい
100%ダメージを受けることをわかっていながら
真正面から向き合った
自分を殺すような質問をできる人だった
どういう気持ちなんだろう

私も自分を殺すような質問をすることはあるけど
それは否定してほしくて
生きていく糧にしたいから投げかけるのであって
本質をハッキリさせたいという
気持ちだけじゃない

そして『僕』のきもちはしんでしまった
その時の状態は街灯や人の声、
五感で感じることのできる全てのものに
対して苦痛を覚えてしまう
きもちがしんでも肉体は
残り生きていかなくてはいけない

他人にはわからないのだ
自分でエネルギーを補給しなくてはならない
そんな時に糖分と熱をくれた古賀は何にも代えることができない存在となったはずだ

その後劇中に『彼女』は出てこず
『僕』にとって『彼女』と過ごした全ての瞬間は
消すことのできない(消したくないのかも)人生最大の恋となった



人生最大の恋ってどうにでも
更新できるものじゃない?
少なくとも私はできる
というのも人生最大の恋なんて思い出を
抱えながら生きていくことは
あまりに切なくて苦しくて報われないから
私の脳が気を効かして変換してくれているのだ


私は三人で朝まで飲み歩き明日を迎えたくない余韻に浸っている
あのシーンで涙した
走っている彼らは何を考えているんだろう

いつかこの瞬間を懐かしいと思い返して
思うんだろうな、と私なら考えていそう