太陽を盗んだ男 | 桜さんの映画鑑賞日記
2007-11-20 07:21:46

太陽を盗んだ男

テーマ:映画ジャンル サスペンス

太陽を盗んだ男 1979

太陽を盗んだ男
¥1,943
Amazon.co.jp

監督: 長谷川和彦
製作: 山本又一朗
プロデューサー: 伊地智啓
原案: レナード・シュレイダー
脚本: 長谷川和彦
レナード・シュレイダー
撮影: 鈴木達夫
美術: 横尾嘉良
編集: 鈴木晄
編曲: 星勝
音楽: 井上堯之
音楽プロデューサー: 多賀英典
照明: 熊谷秀夫
制作進行: 黒沢清
録音: 紅谷愃一
助監督: 相米慎二
榎戸耕史

出演: 沢田研二 城戸誠
菅原文太 山下満州男警部
池上季実子 沢井零子(ゼロ)
北村和夫 田中警察庁長官
神山繁 仲山総理大臣秘書
佐藤慶 市川博士
風間杜夫 ラジオのプロデューサー・浅井
小松方正 サラ金屋のおやじ
汐路章 水島刑事
森大河 佐々木刑事
石山雄大 石川刑事
市川好郎 里見刑事
中平哲仟 田所刑事
江角英明 田中の部下・江川
草薙幸二郎 電電公社技師
五條博 モンタージュ写真の係官
高山千草 アパートの管理人
林美雄 TVキャスター
戸川京子 城戸の生徒
山添三千代 木戸の生徒
水谷豊 交番の警官
西田敏行 サラ金の取り立て屋

特別出演: 伊藤雄之助 バスジャック犯

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


原爆をつくり上げた中学教師が、国家を相手に理不尽な要求を突きつけていく痛快犯罪サスペンス。

中学校の理科教師、城戸誠。東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、

自宅のアパートで原子爆弾の製造に成功する。城戸は原爆を武器に、

警察に対してプロ野球のTV中継を最後まで見せろと要求。

続いて城戸は、ローリング・ストーンズの日本公演をラジオ番組を通じて要求する……。




★★★★★★★☆☆☆

爆弾なんとなく映画を観るのに迷ったらやはり昔の邦画。

ジュリーこと沢田研二主演ということで躊躇していましたが、

80年代風の青春ものではなく中途半端に面白かった。

題材からして暗いシリアスものかな?と期待しました。

ただ、洋画のではなく邦画のシリアスものは苦手なんですが・・

それは心配に終わりましたね。

ともすれば暗い青春もので終わりそうな、

題材だけで終わりそうな映画なんですが、

見事にぶっ壊してくれました。

難を言えば、

原文太さんのキャラが(演技が)浮いていた。

刑事ドラマをもとおり越してターミネーターみたいでした

不死身すぎ、後半なんか車のフロントガラスのないまま突っ込むし、

ヘリコプターから飛び降りるし、

至近距離から何発も撃たれてもビルから犯人を羽交い絞めにして落とすし・・

ありえなさすぎの連続でした!

まあやりすぎて爆笑できますよ。

だから許します・・

あと、

犯人がいとも簡単にプラトニウムを何度も盗めるのが、

しかもスパイのようないでたちで・・

まあ許しましょうか・・

そういうどうでもいいアクションよりも、

この映画でよいなぁと感じたのが、

題材とその心境の描写方法です。

題材は今の日本にも十分通用します。

今でも映画のテーマにされている普遍的なもの、

戦争に負け自由を手に入れた日本の本当の自由とは?

民主主義社会の中での自己主張とは?

このいらだちはどこに持っていけばいいのか?

もう、歌や映画でも語りつくされている戦後の日本の永遠のテーマです。

この沢田研二の演じるごく普通の教師というのが、

野望はあれどビジョンがない。

その気持ちはよくわかるけど、

群れの中でいられず何を本当にやりたいのか、

その方法は単純に世界を破滅させて神になること。

途中で誰かが言ったセリフが気になりました。

「原爆は国家が使うもので個人が使うものではない」

なるほど・・

原爆とは国家を守るための駆け引きです。

いわゆる脅しなのです。

個人が使うと破滅へのブレーキが踏めない。

これは考えすぎかもしれないけれど、

第二次の原爆は国家の駆け引きというよりも、

怨念つまり報復という個人的な感情が国家の方法となったと。

こういった題材の映画で笑えるようなコミカルなスピード感もあり、

しかも後味の悪さも味わえるので邦画としては優秀。

あのラストは憶測しますが、

何かを意識してるのかもしれません。

考えすぎかな?

私が前に観た「未知への飛行」というシドニー・ルメットの映画、

あの映画のラストは原爆を映さずに、

爆音と糸の切れるような金属音と公園の飛ぶ鳩の群れで終わる。

あれはすばらしい映画でした。

本当によい映画とは最後の余韻を残す映画。

たとえ後味が悪くてもそれが想像でき頭に焼きつくような丁寧さ。

同じくキューブリックの博士の・・と題材は同じでしたが、

私はルメットのほうが好きです。

原爆を残酷だといやな気分で終わらせてくれるから。

この邦画もラストがイマイチと思われている方もいるかもしれませんが、

私は大爆発のあと逃げ惑う人々や悲惨な光景、

そんなものを映されたら「作り事」と何も感じない。

ぞっとする後味の悪さを残さないといけない。

洋画はお祭りパニック不幸に慣れるの図でもかまわないけど、

こういった題材は最後は真面目に怖さを描いているので良いと思う。

日本は唯一の被爆国なのです。

それを恥じることもなければいじけることもなく、

逆に私は日本の犠牲で戦争が終わったと誇りに思うのです。

リアルタイムの人間ではないし、

上辺ごとでしか見えませんがそう思いたいです。

答えのないことを映画にする。

そういった映画が好きなので、

スピルバーグの映画やシドニー・ルメットの映画が好きです。

映画が問いかけてくれるんですよね。

その答えは見る人によって違うから奥が深いのです。

ただし、

そういった映画やこの映画は、

すでに作り手は答えを用意していて、

あらゆるところでそれを散りばめてはいます。

自分の飼ってる猫が薬剤を舐めて死ぬ。

自分の教え子たちがプールで死体となる幻想。

高層ビルが倒れそうになるのでささえる幻想・・

ここらはうまいなぁと思いました。

東京はどこに向かっていくのか。

戦後の飽食の子たちは群れの中どこに自分を探すのか・・


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