9月ころだったか、事情があってどうしても丸1日(朝から夕方まで)の時間を家の外で過ごさねばならないときがあって、せっかくだからと普段は足を運ばない大きな図書館に行ってみました。そこで、映画関係の書棚に行って「死ぬまでに観たい映画1001本」(ネコ・パブリッシング; 改訂新版)という本を興味深く読んでいたのですが、いったん昼食のため席を立ち、戻ってくると、その本は誰かに取られていました~! 人気の本なんですね。:D
仕方なくほかの本を探して書棚をうろうろしていて見つけたのが、斉藤守彦著「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」です。単刀直入の題名ですね。本当に、どうして1800円なのでしょう。いつから、こんなに高くなっちゃったんでしょう。アメリカでは映画の入場料金は7~8ドルだし、どこの国と比較してもこれほど高額の映画料金設定はありません。なんと、日本は世界一高額の映画料金を設定されているのです。驚きますよね。
この本を読むと、日本の特殊な興行システムについて解説されています。映画の業界は、細かくは「製作」、「配給」及び「興行」の3つに分けられます。「製作」は映画製作会社等映画作品を作る人たちで、「配給」は映画配給会社や宣伝会社等映画を配る人たちで、「興行」がいわゆる映画館です。食品で言えば、「製作」が農家で、「配給」が卸問屋、「興行」が八百屋といったところでしょうか。
日本以外の国では、これら3つの機構はそれぞれが分立・独立しているのですが、日本においてはこれが特殊な仕組みになっており、なんと、「製作」と「配給」、そしてほとんどの場合、「興行」までもが三位一体になっているんですね。そういえば、例えば東宝の場合、東宝が作った映画をTOHOシネマズで上映しますよね。
この料金流通の仕組みを、先ほどの農家の譬えで考えると、農家から100円で買い上げたものを卸問屋が120円で八百屋に売ったとした場合、八百屋はそれ以上の値段で売らないと儲けを出すことができませんね。もし、八百屋がこれを110円で売ったとすると、マイナス10円分を自分で負担することになります。ところが、映画業界の場合、三位一体であるがゆえに、「興行」で発生したマイナスを「配給」も「製作」も被ることになってしまうのです。
こういった事情があるため、本来、自由に料金設定できるはずの末端の「興行」も、独断で料金設定をすることは容易ではないのです(建前では談合はないことになっています)。その代案として、毎月○日は千円だとか、レディース・デーだとか、会員登録すれば○回に1回は無料といった、細かいサービスを設定することで対応しています。
しかも、「興行」の置かれた立場はとても厳しく、配給会社から作品を受け取るときの契約書においては、大抵、映画の公開初週には収益の70%ほどを配給会社に吸い上げられる設定となっています。週を追うごとにこのパーセンテージの数字が下がっていくので、爆発的な動員数を稼ぐ大作や、ロングランで後になればなるほど客が増えるような映画が、「興行」にとってとてもおいしい作品と言えましょう。このように、入場料金や前売券の売り上げは、契約の関係で大半を配給会社に吸い上げられてしまうので、実は劇場で売っているドリンクやポップコーンは、「興行」にとって純粋な利益として吸い上げられる貴重な売り物なんですね。
料金設定については、過去の特殊な歴史もあり、ごく最近まで映画には別途課税がなされていたようで、わたしが子供のころの入場券には日本政府発行の文言があったそうです。入場券なんてそれほどしげしげ見ないから、言われてもよく覚えていないよ…!:{ ともかく日本が極めて特殊だってことはよくわかりました。
著者が300人を対象に行ったアンケートでは、多くの人々が妥当だと思う映画料金は1000円であるという結果が出ています。確かに、1800円を握って映画館に行ったら、入場券を買った上に、パンフレットと一番小さいドリンクくらい買えるというのが理想ですよね!
今でも、各映画館が設定しているサービスを駆使すれば、劇場で安く映画を観ることは、存外、容易です。例として、大手シネマズでは以下のようなサービスを提供しています。このほかにも、20時以降はレイトショー、23時以降はナイトショーといって、料金が安くなります。また、映画によっては「特別料金」設定されるものもあります。例えば「アベンジャーズ」など、割にロングランでしたが、公開から暫く経つと特別料金で1000円に設定されましたね。このほか、上映時間が短いものなどに特別料金が設定される場合もありますから、映画館のサイトを要チェック! です。
さあ、賢く調べて…劇場で映画を観よう!:D
■TOHOシネマズ
・TOHOシネマズデイ/毎月14日は1,000円。
・ファーストデイ/毎月1日は1,000円。
・レディースデイ/毎週水曜日は、女性1,000円。
・夫婦50割引/どちらかが50歳以上の夫婦の場合、2人で2,000円。
■ワーナー・マイカル・シネマズ
・ファーストデイ スペシャル/毎月1日は1,000円。
・レディスデイ スペシャル/毎週月曜日(または水曜日)は、女性1,000円。
※劇場によって曜日が異なる
・高校生友情プライス/高校生3人以上のグループは、一人1,000円。
・夫婦50割引/どちらかが50歳以上の夫婦の場合、2人で2,000円。
■ユナイテッド・シネマ
・ファーストデイ/毎月1日は1,000円
・レディースデイ/毎週水曜日は、女性1000円。
・会員デー/毎週金曜日は会員1000円。
■ムービックス
・MOVIXデイ/毎月20日は1,000円
・ファーストデイ・スペシャル/毎月1日 は1,000円
・レディースデイ/毎週水曜日は、女性1,000円
・夫婦50割引/どちらかが50歳以上の夫婦の場合、2人で2,000円。
■109シネマズ
・109シネマズの日/毎月10日は1,000円。
・ファーストデイ/毎月1日は1,000円。
・レディースデイ/毎週水曜日は、女性1000円。
・夫婦の日&カップルデイ/毎月22日は、男女ペア2人で2,000円。
・ポイント会員感謝の日/毎月19日は、ブルーカード会員、ブルーモバイルメンバー1,000円。
・夫婦50割引/どちらかが50歳以上の夫婦の場合、2人で2,000円。
【注意!】サービス内容は本年9月現在のものですし、地方によって差がありますから、わたしが書いたものを鵜呑みにせずに、詳細はちゃんと各自でお調べくださいね!
参考
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