オマール・シー!


『あしたは最高のはじまり』
南フランス・コートダジュールのリゾート地で、ボートの操縦士をしているサミュエル(オマール・シー)。
プレイボーイな彼は、毎日いろんな女の子を誘って遊び、人生を謳歌していた。
ある日、以前関係を持った女性が、グロリアと名付けた赤ちゃんを抱いて現れる。
あなたの子だと、グロリアを無理やりサミュエルに渡した女性は、そのまま失踪。
サミュエルは仕方なくグロリアを育てることにし、それから数年の月日が過ぎて‥‥。

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監督はユーゴ・ジュラン。
フランスの映画です。

いや~切ないっすな~。切ない。
オマール・シーとグロリア(グロリア・コルストン)が、本当にチームワーク抜群の仲良し父娘で。
その、仲良しっぷりが微笑ましいほどに
「きっと後々、不幸な展開になるんちゃうやろか」
と不安になり。
「ああ‥‥もう‥‥」と、なっちゃうのです。

「父と娘」という組み合わせは、僕の中で外れが少ないんですよね。映画。
娘ちゃんは、やはりお母さんが恋しくなり、その寂しさを父に隠さず。
父ちゃんは、いくら愛情を注いでも、母親代わりにはなれないことに無力さを感じ。
その切なさに、毎度やられてしまうのです。

今回はちょっと、現れた母親がクズ過ぎだったのが残念でした。
(母が現れるのは予告編であったので、ネタバレではないですよね)
僕としてはこういう場合
「いや、どっちの意見も分かるけど!」
となるのが理想の展開なんですが。
あまりにもの酷さに、「頑張れ父ちゃん!」の一点張りになってしまったので。

逆に言えば、クリスティン(クレマンス・ポエジー)のクズ母っぷりが、ナイス芝居だったわけですけど。
過去を棚に上げ、開き直ってガツガツ権利を主張するパターンも鬱陶しいですが。
腰低く申し訳なさそうにしてるくせに
何でもかんでも思い通りにしてくるやつの方がタチ悪いじゃないですか。
そっちです。笑

それにしてもオマール・シーは良いですね。
陽気でコミカルで、体は大柄なんですが、表情が繊細で。
今回も、娘を愛する気持ちが、全身から漏れでてきそうな熱演でした。

果たして、父と娘は無事に平穏な暮らしを勝ち取れるのでしょうか。
予想外のラストに、胸が震えてしまいました。


☆個人的見どころ
 ・父と娘と母親と
 ・どうなるラスト
 ・ワイロに弱い学長