アカデミー作品賞・主演男優賞を含む4冠達成!
「英国王のスピーチ」
国王の次男であるヨーク公(後のジョージ6世)は、小さな頃から自らの吃音癖に悩まされていた。
人前でのスピーチなどは最も苦手とするところで、大観衆の前で黙り込んでしまったことも。
妻のエリザベスに付き添われ、何人もの言語聴覚士を訪ねるが、一向に改善しない。
ある日、スピーチの講師ライオネルの元へ向かった2人。
ライオネルは、王子を愛称で呼んだり、奇妙な実験をさせたりで、彼を激怒させて帰らせてしまう。
しかし後日、その効果が出ていることに気付いたヨーク公。
彼は再びライオネルを訪ね、訓練を再開する‥‥。
安心して観れる作品とは、こういうことなんですな。
全体的にまったりとした空気ではありますが、ユーモアが散りばめられていて笑いあり感動もありで、最後まで楽しく観ることができました。
「生まれつき吃音の人間はいない」というセリフを聞くまで、僕はそのことを知らなかったんですが。
時に怒らせたり、親しみを持たせたりで感情を揺さぶりながら徐々に吃音を克服させようとするライオネルの手腕と、それに食らいついてコンプレックスを解消しようとする王子の姿に引き込まれてしまいました。
そこはやはり、役者さんたちの力が大きいでしょうね。
主演男優賞を獲得したジョージ6世のコリン・ファースはもちろん。
講師ライオネルのジェフリー・ラッシュ。
ジョージの妻エリザベスのヘレナ・ボナム=カーター。
それぞれモデルになった本人が演じているかのような、ある意味ドキュメンタリー番組を観ているようなナチュラルさで。
作品にスッと入って行けたのは、彼らの力が大きいと思います。
もちろん、本当に実話が基になっているのかと疑いたくなるような、愉快で魅力的なストーリーも素敵でしたし。
とはいえ、全体的に淡々と進んで行くので、意外と平凡な作品なのかなと思って途中までは観てたのですが。
ラストに来てググッと上がりましたね。
観ている方も手に汗握るジョージ6世の緊張感と、ライオネルの‥‥いや、言わない!
いや~、映画でした。
アカデミー作品賞を受賞したからってわけではないですが、普段映画をあまり観ない人なんかにも観てもらいたいっすな。
☆個人的見どころ
・ヨーク公とライオネルのユーモラスなやりとり
・役者力
・もちろんラストのスピーチ