これはタイトル通りの、普通の恋愛映画ではないですよ。

ものすごく歪んではいますが、でも純愛映画でした。


無差別に一家3人を惨殺した異常な殺人犯(トヨエツ)の、逮捕の瞬間をテレビで見て、一瞬で恋に落ちた地味なOL(小池栄子)。

最初は「何でやねん」と思ったんですが、ストーリーがすすむにつれて、そんな無茶苦茶な始まりの恋なのに、なんとなく理解できるような気にさせられてきて、そこからグイグイと物語に引き込まれていっちゃいました。


地味で、普通に人と接するのも苦手な感じだったOLが、その恋に落ちた殺人犯と面会を繰り返すにつれ、表情や言動が徐々に狂気を帯びてくるんです。

これが小池栄子さんの熱演で、本当に怖かったですよ。

お芝居をしているところはあまり印象にないのですが、隠れた名女優さんですな。


一方、冷酷で誰とも話そうとしなかった殺人犯が、自分を支えてくれる人が現れたことによって、そちらにも少しずつ心境に変化が。

そして、二人の間に入り、そのOLを利用して殺人犯の心を開かせようとした弁護士(仲村トオル)の心にも、微妙な揺らぎが。

主な出演者はこの3人だけなのに、その3人の微妙な心の変化だけでラストまで引っ張られましたね。

3人が3人とも名演技でございました。素敵です。


ただ、「地味なOL」の小池さんが、ちょっとキレい過ぎましたかね。元々スタイルもいいですし。

服装か何か分からないですけど、最初もっと地味に見えたら、後々もっと怖かったかなと思いました。


いや~、それにしても、最後の接吻にはブッ飛びました。

愛のカタチは様々だ。



☆こんな人におすすめ

 ・結婚もなんのその・小池栄子ファン

 ・いろんな愛の研究家

 ・接吻フェチ