介護職員人材不足 | 辻川泰史オフィシャルブログ「毎日が一期一会」Powered by Ameba

介護職員人材不足

介護従事者のうち、実際にケアに当たる職員ほど強い人材不足傾向にあることが8月19日、日本介護クラフトユニオン(NCCU)の「2011年度就業意識実態調査」(速報版)で明らかになった。

 調査は今年3月、全国のNCCU組合員5000人を対象に実施。月給制の従事者1465人(回収率58.6%)、時給制の従事者1071人(同42.8%)から回答を得た。


それによると、月給制従事者に対して、勤務する介護事業所における職種別の人材過不足の状況を尋ねたところ、「不足」(「大いに不足」「やや不足」)と回答した割合は、訪問介護員で78.3%、有料老人ホームなど入所型施設の介護員で71.7%、看護師で68.2%、通所型施設の介護員で61.5%など=グラフ=。これらの職種では、「妥当」との回答割合(13.6-26.4%)を大きく上回っていた。
 一方で、ケアマネジャーは「不足」33.5%に対し「妥当」54.8%、生活相談員は「不足」34.0%に対し「妥当」49.6%、事務職は「不足」32.6%に対し「妥当」54.9%などとなっており、実際に高齢者のケアに携わる機会の多い職種ほど、人材不足の傾向が強かった。「過剰」(「過剰」「やや過剰」)との回答は、いずれの職種でも3%以下だった。

 また、月給制従事者に対して、離職者を復帰させるために有効な方策(複数回答、3つ以内)を尋ねたところ、「賃金の底上げを図る」が907人で最も多かった。以下は「休みの取りやすい環境をつくる」476人、「過重労働(残業など)を解決する」356人、「昇給システムを明確にする」307人、「職場のコミュニケーションをよくする」294人などの順。

 NCCUの村上久美子政策部長は、「実際にケアに携わる介護従事者が不足している。解決策の一つとして、離職した人を介護業界に呼び戻す体制づくりも必要なのではないか」と話している。

■仕事原因で健康に問題、治療は半数以下
 さらに、月給制従事者に仕事が原因の健康問題があるかどうかを尋ねたところ、49.1%に当たる719人が「ある」と回答。「ある」と答えた人に対し、治療を受けたかどうかを尋ねたところ、「受けた」のは336人(46.7%)と半数に満たなかった。具体的な症状(複数回答)で最も多かったのは「腰が痛い」の423人で、健康問題があると回答した人のおよそ6割が腰痛に悩まされていた。以下は、「肩がこる」352人、「イライラする」208人、「頭痛がある」160人などと続いた。

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