たまには昔の話 | 小人閑居

たまには昔の話

戦友に会いに行った。


彼のことは、戦友と言うのが一番ぴったり来る。留学初期のころ、どうしようもなく英語ができなくて、彼もできなくて。お互いに英語のできるパートナーにびしばし鍛えられてて。二人で時々、日本語で喋りまくり息抜きをしていた。それで、お互いのパートナーの無情で非情な英語教授法を味噌くそに言っていた。


卒業後、彼は日本に帰った。何度も会おうね、といいながら、いつも東京を素通りするわたしは彼に会う機会が作れなかった。


でも、今回はやっと会えた。


11年ぶり!


分かるかなあ、と思いながら、待ち合わせ場所に行ったら、すごい人ごみの中で彼はわたしをすぐに見つけた。わたしは一瞬、彼がわからなかった。


「ei、ちっともかわってぇへんやん。俺、変わった?? 分からんかった??」
「いや、そんなに変わってへんけど・・・メガネ変わってるやん」


彼は、ものすごくうれしそうに笑った。


「あんな、11年の間にはメガネ一回くらいかえるんとちゃうか、普通。メガネ変わってるって・・・・相変わらずのおおぼけやねぇ」


お互いの近況報告や、仲間のだれかれのうわさ、懐かしい場所の話。結局、全部話せなくて、もうしばらくいるから、また、という事になった。


それで、いきなり、朝早くになる電話。おいおい、寝てるんだよ。


「月島で、6時半ナ」
「おお、もんじゃやな」


というわけで、関西出身の二人で下町名物のもんじゃを食べたのでした。適当に歩いて見つけた路地裏もんじゃ。


monja


なかなかのいい風情です。いかにも下町。ビバ、下町!


出てきたもんじゃの素(?)を見て、


「これ、なにがはいってんねん?」
「ようわからへんけど・・・小麦粉と・・・水??」
「・・・・そら、水は入ってるやろなあ・・・」


話が、留学中のことになると


「死ぬかと思ったよなあ・・・」
「ほんまにナあ・・・」


しばし黙考。


「おまえ、寝込んでたやろ、あの後」
「一年間、使用不可能状態やった」


それでも、あのころ、真剣に学問をして、議論をして、自分たちの青臭い理想を恥ずかしがらずに話せた。もう、夕日に向って走って行っちゃうからね(そんなことはしませんでしたが)。


奨学金をもらってたから、お金がなくて、タバコが買えなくて、気がついたらタバコをやめてたとか。あそこの角の店のキャベツが重かったとか、夜に研究室に行ったら、誰もいなくて怖くて勉強にならなかったとか。試験の最終日にみんなで卵をぶつけ合ったとか。それで、体を洗おうとシャワーの熱いのにかかった友達の頭がスクランブルエッグ状態になったとか。紫のつっかけを履いてぺたぺた歩いていたとか。


夜明けのコーヒーとか。


徹夜明けのりんごとか。



結局、この記事、なにを言いたかったんだ??


そうそう、昔馴染みっていいな、てことでした(笑)。


もう、会えないかもしれないけど。またね、と手を振って。あのころの自分をちょっとだけ思い出して。